こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
さて、今回はタイトルにもあるように
これから脱サラして「新規就農」する方にお金で失敗しない、またはお金の落とし穴にはまらないように家計見直しを行っているFPの目線から少しお話したいと思います。
目次
押さえておきたい2つのお金の話
固定費の見直し
まず1つ目であり一番重要な部分になります。
脱サラして新規就農する場合は、数年間は農業次世代人材投資資金を利用するとしても、収入は下がるケースがほとんどでしょう。
ですので、毎月必ず掛かってくる固定費というのは出来る限り見直して、今よりも支出を抑えておくべきです。
固定費とは?
では見直すべき固定費には何があるのか?
代表的なものでいけば
・住宅費
・通信費
・任意保険(生命保険、損害保険)
・教育費(習い事など)
・その他定期的に利用するもの(ジム利用、サプリ購入)
などがあります。
どのように見直す?
ではこれらをどのように見直すかという話をしたいと思います。
住宅費
ほとんどの場合は賃貸に入居する事になるかと思いますが、これから引っ越すという方は毎月の家賃は出来るだけ安い所に住む、
もしくは就農する地域の人との繋がりで格安で借りれる家を借りるようにしましょう。
固定費の中でも特に金額が大きくなる所ですし、一度入居するとなかなか見直しずらい分野になるので、時間が掛かっても見直しの効果は高いので工夫されて下さい。
(既に住んでいるという方も初期費用や引っ越し代金は掛かるかもしれませんが、半年や1年で家賃の差額分を回収できるのであれば、是非検討してみましょう)
通信費
通信費というのは主に携帯やインターネットの回線です。
携帯料金のプランなど様々な改訂があっていますが、いまだにキャリアと呼ばれるdocomoやau、Softbankの通信費は高いのが現状です。
個人的にはスマホは格安スマホで十分だと考えています。
僕自身もUQモバイルを使っており月3000円程度ですが、田舎でも街中でも何の不自由もありません。
ただ、正直もう少し安い会社でもよかったかなとも思っており、今年の秋?には違約金1000円で乗り換え可能になるという話も出ているので、少し検討してみようと思っています。
その時はまたレポートしますね!
ただ、安いのは分かっててずっと変えたいなと思っていても、なかなか行動に移せないという方は大勢いらっしゃいます。
これは「現状維持バイアス」といって、人はこれまでの現状をなかなか変えることよりも維持したいという心理に偏ってしまい、得するとわかっていても恐れて行動できないというものです。
僕自身今では格安スマホいいですよ~と言っていますが、格安スマホが出た当時から乗り換えたわけではありませんので皆さんのお気持ちは凄くわかります(笑)
ただ、今回のテーマにあるように、僕自身脱サラする時に格安スマホに変えましたがやってしまえば、
こんなもんか。早くやればよかったな。というのが正直な感想でした(笑)
格安スマホについてはこちらの僕の過去の記事に、なぜ安いのかとか実際にどれくらい得するのかなど詳しく書いてるので、良ければ一度ご覧下さい!
保険
さて、次は保険の見直しについてですが、これは各家庭によって見直しの基準が異なるので、一概には言えませんが
大事なのは脱サラして農家(自営業者)になる場合は、
これまで加入していた社会保険が
健康保険→国民健康保険
厚生年金→国民年金
に変わることにより、亡くなった時の遺族厚生年金やケガや病気で働けなくなった時の傷病手当金といった、保険の設計を考える上でとても重要な保障というのが無くなってしまいます。
ですので、社会保険が変更になり公的な保障が少なくなった場合に万が一があった時でも困らないようにする事が重要です。
これについてもこちら↓の記事に詳しく書いています!
ただ、場合によってはこれまで必要以上の保障に加入していたり、不要な保険に加入していたということもあり、見直しをすることにより保険料が下がることもあるでしょう。
また、自動車保険に関しても格安スマホと同様に、ネット型の自動車保険に切り替えるとガクンと保険料を抑える事ができたりもします。
自動車保険の見直しについてはこちら↓の記事に詳しく書いています。
(ちょっと長いので前編と後編に分けています)
【前編】
【後編】
保険は住宅の次に毎月の支払いが多くなる分野です。
しっかり見直すことができれば月に数万円も安くなるという事もあるので、ぜひご参考にされて保険の見直しもチャレンジされてみて下さいね!
教育費&その他定期的に利用するもの
最後は習い事などの教育費やスポーツジムを利用するなどのその他定期的に利用するものに毎月固定で支払っているものがあるかと思いますが、
これらは自己投資や健康の為にという事で利用されるケースが多いでしょうが、就農するタイミングで今後も本当に必要なものなのかというのを一度整理されるとよいでしょう。
(新規就農で慣れない農作業をしてからジムにも通い続けられるという強靭な方は滅多にいらっしゃらないかと思いますが笑)
以上、ざっくりですが固定費の見直しについてのご説明です。
是非就農前の時間があるうちに見直されることをおススメします!
税金や社会保険料の支払いを意識
2つ目は税金や社会保険料の支払いを意識する事ですが、脱サラして新規就農する場合には、
これまで会社が代わりにやってくれていた、税金の支払いや社会保険料の支払いを自分で行わなくてはいけません。
その場合に支払う主なものとしては
税金
・所得税
・住民税
社会保険
・国民健康保険
・国民年金
の4つがあります。
これらの支払いにおいて、特に注意しておきたい点を3つご紹介したいと思います。
3つの注意点
住民税の注意点
上の税金で紹介したもののうち、所得税はその年の所得を確定申告してその期日までに支払うことになりますが、
住民税は前年の所得に応じてその年の支払う金額が決まりますので、例え就農した年の所得が0だったとしても容赦なく住民税の納付書が送られてきます。
しかも、サラリーマンの場合は毎月12回に分けて均等に支払っていたので、そう大きな負担に感じないかもしれませんが、
農家(自営業者)になると、年4回(6月,8月,10月,翌1月)に分けて3ヶ月分をいっぺんに支払うので、負担が大きく感じられます。
税金は必ず支払わないといけませんので、新規就農の準備にお金を回すのも重要ですが、
脱サラした年の住民税の支払いについてもしっかり考慮しておかれると良いでしょう。
特にサラリーマン時の所得が高かったという方は支払う金額もその分多いので気を付けて下さい。
国民健康保険の注意点
国民健康保険料も先ほどの住民税と同様に前年の所得に応じて翌年(脱サラした年)に支払う金額が決められますので、
その年に所得があっても無くても前年の所得に応じた金額を納める必要があるのですが、
サラリーマンの時は「労使折半」といって、健康保険料の半分は会社が負担してくれていたのが、農家のような自営業者は全額を自分で支払う必要があるので、
1人分でも月にして数万円程を支払う必要があるのに加えて、さらに国民健康保険には扶養という概念が無い為、世帯主が家族全員分の国民健康保険料を支払う必要があり、
自分がサラリーマンの時に支払っていた時の倍以上の金額を、収入に関係なく負担する事になるので、こちらも住民税と同様に意識しておかれると良いでしょう。
国民年金の注意点
最後3つ目ですが、国民年金保険料こちらも所得があっても無くても支払わないといけませんが、
こちらは住民税や国民健康保険と異なり、前年の所得とは関係なく一定金額を支払うことになります。(16,410/月 2019年7月現在)
しかし、サラリーマンの時に奥様が専業主婦だったり、扶養の範囲で働いていたという場合には、こちらも国民健康保険と同様に国民年金にも扶養という概念が無いので、
就農後は2人分を支払う必要があり、その場合は月に3万円を超える支払いが必要となるので、もし住民税や国民健康保険も支払いながらだとトータルでかなりの負担になります。
ですが、国民年金の場合は収入が無く、保険料の支払いが厳しいという場合には保険料の免除といって、
収入に応じて支払う保険料を一部もしくは全額を免除する事が可能になる制度や、
保険料の支払いを猶予してくれる制度があるので、余裕が無かったり先の事まで考えると利用した方がいいという場合には、これらを上手に活用するようにしましょう!
この保険料の免除や猶予に関して気になる方はこちらの記事に詳しく書いておりますのでご参考にされてみて下さい。
反対に国民年金保険料を支払うつもりでいる方はせっかく払うのであれば保険料が割引になる前納の制度を利用しましょう!
前納とは1年分や2年分をまとめて支払える制度です。
まとまったお金が出ていくのは多少不安かもしれませんが、結局1年間で支払うべき保険料ですし、割引が効くとなるとやった方が絶対にいいですよね。
これについてもこちらの記事で詳しく説明しているのでよければ御覧になられてみて下さい!
※上手に利用すればかなり節税もできますよ!
まとめ
さて今回は新規就農者が絶対に押さえておきたいお金の話をさせて頂きました。
今後どんなお金が掛かってきて、どれくらい自分達の負担になるのかというのはそれぞれの家計で変わってきますが、
その場しのぎではなく、しっかりと今後のお金のことについて把握しきちんと準備しておくことで、金銭的だけでなく精神的にも楽になるはずです。
できれば就農から数年先だけでなく、ライフプランを作成しキャッシュフロー表で今後のお金の流れお金の流れを把握し計画を立てるようにしましょう。
そうすることで、将来の為に使うお金だけでなく、自分達が今就農の準備にいくら使う事ができるのかもわかるようになりますよ!
少し長くなりましたが今回は以上となります!
では、最後までお読み頂きありがとうございました!