こんにちは農家専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です。
いきなりですが皆さんは人生で高い買い物TOP3ってご存じですか?
言うまでもなく一番高い買い物は住宅です。
ではその次に来るのは?
実は生命保険もしくは自動車なんです。
人によってこの順位は変わるかもしれませんが
ほぼ同じくらいだと思っていいでしょう。
ここで少し思い出して貰いたいたいのですが
自動車を購入する時ってその車の事とか
似たような車を比較検討したりして
あーでもない、こーでもないと色々考えられたのではないでしょうか?
車を買う事を考える時間ってすごく楽しくてわくわくしますよね(笑)
では生命保険に加入する時はどうだったでしょうか?
車を購入する時と同じように保険の事について調べたり、考えたりされましたか?
実際、保険についてとことん調べたという人はあまりいないと思います。
でもそれは仕方のない事だと思います。
先に書いた車の購入の時と違って保険を考えるって
亡くなった時の事とか病気の事とかちょっとネガティブなことを考えないといけないので
よほど保険が好きでない限り自分から進んで色々調べようとは思わないというのが
実際のところだと思います。
ですが、今まで安定した収入のあるサラリーマンだったのでなんとなく
保険を掛けていたでもよかったのかもしれませんが
新規就農して農家(自営業)になる場合、それは絶対に避けなければなりません。
そこで!
今回は保険の正しい入り方シリーズとして
新規就農者が生命保険を見直すべき理由を2つご紹介したいと思います。
もちろん、既存の農家の方にもお役に立つ情報にもなっています♪
目次
新規就農者が生命保険を見直すべき2つの理由
ではさっそく1つ目の理由ですが
固定費としての見直し
生命保険に加入されている方ならよくご存じだと思いますが生命保険というのは
毎月きまった金額を支払っていく家計の固定費です。
サラリーマンを脱サラして夢の農業の世界に飛び出したはいいものの
最初から順風満帆にお金を稼げるようになる人ってそうそういないと思います。
稼げるようになるまでの生活費には貯めていおいた自己資金や農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)
を活用し補填されている方も多いのではないでしょうか。
まさに僕もアスパラガスで就農ですのでがっつりあてはまります(笑)
しっかり収穫できるようになるまで2~3年かかるので辛抱です、、、。
そんな収入が少ない時期にだからこそ毎月かかる固定費を見直すというのはとても大事な事になります。
経営が安定するまでは正直月1000円、いや500円でも固定費が下がることは嬉しい事です。
こちらにも書いていますが、固定費を見直すというので家計の改善にも大きく影響してきます。
家族状況や構成にもよりますが、特に生命保険の見直しによる効果というは大きいです。
日本人は生命保険だけでも全体の平均で年間19.7万円
月に換算すると1万6000円も生命保険に支払っている事になります。
下に参照データを貼っておきますがが、働き盛り+子育て世代では
それよりも多く支払っていることがわかります。
※参照データ 日本生命文化センター「平成28年度 生活保障に関する調査」
以下はそのデータをもとに日本FP協会がまとめた資料です
これが毎月の生活費に上乗せされていると考えたらちょっと負担は大きい
気がしますよね。
でも逆に言えばここをきちんと見直すことができて保険料を下げることが
できれば家計はとても助かるのではないでしょうか?♪
ですが保険を見直しは上記したように無駄な保障を削り
保険料を減らす事ができる可能性もある反面。
自分に足りない保障がわかった場合はそれを補う保険に
別に加入する必要が出る方もいらっしゃいます。
それが2つ目の理由である
社会保険の保障が変わる
これは特に今までサラリーマン(会社員)をしていて新規就農をするという方に当てはまることですが
サラリーマンというのは個人事業主や自営業者に比べ社会保険の保障がとても手厚いです。
脱サラしたら今までは給料からの天引きで社会保険料を支払っていたのであまり意識された事は
無いかもしれませんが、会社員の場合は社会保険料というのは労使折半といって
あなたの社会保険料を会社が半分払ってくれていました。
ですが、農家(自営業)になると社会保険料を全額自分で払うことになります。
「なんだそんな事か~、それならちゃんと国民年金も国民健康保険も自分で払ってるから問題ないよ。」
こうお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが
実はサラリーマンが手厚いと言われているポイントはこの保険料の折半だけでなく保障の内容も手厚いのです。
逆に言うと会社員→農家になった方は社会保険の保障が薄くなるということです。
会社員時代からかけていた保険はその手厚い社会保険の保障をベースに設計してあるはずですので
保障が薄くなった分、何かしらで手当をしないと万が一の時に困ってしまうという事になります。
(はず、というのはこの社会保険を理解せず保険を売っている人も平気でいます。
そんな方から加入した場合はよく保険を掛けすぎているケースが多いです)
ポイントを先ほど書いた健康保険と国民年金を例にご説明しますと
健康保険と国民健康保険
会社員は健康保険、農家は国民健康保険にそれぞれ加入することになります。
どちらも治療費が3割負担で病院を受診できたり、治療費が高額になってしまった場合に
医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(歴月:1日から末日まで)で上限額を超え
た場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」等があります。
どちらも基本はほとんど同じ保障内容なのですが、大きく1点違いがあります。
「傷病手当金」
こちらの制度は業務中以外のケガや病気で働けなくなった時に
連続して3日以上仕事ができなかった場合に最長1年半の間は
給料の3分の2が健康保険から支給されるという制度になります。
つまり、病気やケガで働けなくなってお給料が貰えなくなっても
1年半はお金が入ってくるという事です。
ですがこの制度実は使えるのは会社員が加入する健康保険でしか使えません
会社員はこの制度を知ってた知らないにかかわらず
ケガや病気で働けなくなった時のリスクというのはあまり優先順位が低い
リスクとお考えの方も多いです。
協会けんぽ HP ←詳しくはこちら
なので、農家のような自営業の人が加入する国民健康保険には
この傷病手当金の制度が存在しない為、もし病気やケガで働けなくなった時は
国の保障制度からはその補填になる保障が無い為ご自身で対策を考えないといけません。
数日程度のケガや病気であれば家族やお手伝いさんを雇って
しのぐ事もできるかもしれませんが長引いてしまった際は
ずっと任せっぱなしにしてても収入が入ってくる程農業は甘くないですよね。
ですので、そのような場合でもキチンと保障(補償)を持っておくことが必要になります。
メジャーなところでお話しすると民間の保険会社には「所得補償」や「就業不能保険」といった保険があるので
そういったものを活用して所得の減少に備えるというのも1つの手だと思います。
さらに!!
最近はよくポスターを見かけるようになりましたが
平成31年1月から始まる農林水産省の「収入保険制度」も病気やケガの場合の収入減にも
対応できるみたいですので、来年からは収入保険制度を活用するのもいいと思います。
収入保険制度については現在私も詳しく調べている最中ですので、また近々この制度に
ついても記事にしていきたいと考えています!
厚生年金と国民年金
農家(自営業者)がはいるのが国民年金で、会社員が入るのは厚生年金になりますが
基本的な考えかたは国民年金の上乗せに会社員は厚生年金に入っているという認識で大丈夫です。
そもそも年金には
①老齢年金・・・65歳以降老後に受け取れる年金
②遺族年金・・・被保険者が亡くなった時に遺族が受け取れる年金
③障害年金・・・被保険者が障害を負った場合に受け取れる年金
この3つの受給要件があります。
これも健康保険の時と同じように、年金も会社員の厚生年金に比べ
農家が加入している国民年金から支給される金額は低いです。
もし、同じ条件(家族構成や年齢)でそれぞれ計算した場合に
月に数万、年にすると何十万、生涯では何千万円
と受け取る金額に差が生じることもあります。
ですので会社員時代の年金の金額をもとに保険を設計していたら
万が一の際に自分はもちろん、家族も大変困ってしまう状況に
陥ってしまうこともあります。
それを避けるためにもまずは自分がどれだけ保障が必要なのか
というのをはっきりさせ万が一の際にもしっかり保障を受け取れる
保険に加入する事が大事になります。
以上が新規就農者が保険を見直した方がいい理由でした。
1つ目の固定費の見直し
2つ目の社会保険の保障が変わる
で保険料を抑える事ができる方もいれば、足りない保障を保険で新たに加入したりして
保険料が上がる人もいると思いますが、農家として安心して生活していく為には
新規就農のタイミングで必ず保険は見直しておいた方がいいです。
ですので、まずは現在加入中の保険屋さんにご相談される事をオススメします。
もし保険屋さんが社会保険に詳しくないとか、これでいいのかな?
と思う事があればなにかお力になれる事もあるかもしれませんので
こちらから何なりとご相談ください♪
では長くなりましたが、最後までお読み頂きありがとうございました!
農家専門ファイナンシャルプランナー 西田 凌