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これでもう悩まない!農業者年金の掛け金の損得についてFPが解説

こんにちは

若手農家の老後不安を楽しみに
家計の土づくりアドバイザー西田凌です。

 

僕はTwitterでpeingという機能を使って、幅広い質問を受け付けているのですが

先日、受けたご質問に回答した中で、このブログを読んで下さっている皆さんにも役に立つと思ったので、今日はその質問と回答をご紹介したいと思います。

(もちろん、さらに肉付けして解説しますね!)

 

 

頂いたご質問

 

 

画像が見えない方の為に↓

現在農業者年金に入っていますが
1つ不安なことがあります。国の補助を受けています。
後継者に継承できない場合、受け取る金額が減額になるということですが、
特に子供に継がせたいという意思もないので、補助をやめて早めに支払い金額を上げたいとも思います。

しかし、親は補助を受けておいた方が得だから良いといいます。
どちらの選択がよいのでしょうか。

 

 

ご質問ありがとうございました!

とても悩ましい話ですね。

 

要点を整理

この質問の要点は2つあります。

要点1・・・後継者がいないと減額される
要点2・・・国庫補助の損得

この方は農業者年金が保険料を運用する仕組みをよくご存知ですので、逆にこういった悩みが出てきてしまったことでしょう。

 

この2つの要点について、よく知らないという方も多いと思いますので、少し詳しく説明していきたいと思います!

 

 

要点1・・・後継者がいないと減額される

農業者年金の給付金は大きく分けて2種類あります。

1つ目は農業者老齢年金

2つ目は特例付加年金

 

農業者年金は40歳以下で加入する際に、保険料の設定が2万円以下の場合で、一定の条件を満たす場合は、保険料の一部が国から補助されます。

 

独立行政法人 農業者年金基金HPより

 

そして、将来

・補助されない自己負担の分を農業者老齢年金

・補助された分を特例付加年金

として受け取ります。

 

ただし、この2つは受け取りの要件が違うというのが少しややこしくて、

農業者老齢年金は自分のお金で支払った保険料ですので、65歳になったら、積立金+運用益を無条件で受け取れます

 

特例付加年金は国から補助を受けているので、農業を親族、もしくは第3者に経営継承しないと受け取ることができません

 

農業者年金が後継者がいないと減額されると思われている方が多いのですが、実際は減額というよりも「補助された分が受け取れない」という話です。

 

そもそも補助の分は自分で支払っていないので、実際は損をするという話ではありません

おそらく農業者年金で一番多い勘違いであり、心配になる部分だと思いますのでこの点は是非覚えておきましょう。

 

 

要点2・・・国庫補助の損得

 

後継者に経営継承しないという事は

・ずっと農業をやっていくつもり

・第三者に経営を譲渡する(農業を辞める)

 

つまり、農業をずっと続けるか、完全に辞めるかの話になりますが、前者の場合だと、前項でお伝えしたように、国からの補助の分はずっと受け取れません。

そうなると、補助を受ける意味はほぼ無くなります。

 

そうなると逆に、余裕があるのなら2万円以上掛ける方が、より多くの積立金(元金)が運用されるので、そちらの方が条件によっては補助を受ける金額よりも、運用益が大きくなり有利という事もあります

※この点については
農業者年金にもデメリットはある!農業者年金よりもiDeCoを選ぶべき人とは?
に詳しく書いていますので、そちらをご覧下さい!

 

 

ですので、この場合

・補助金を受けていた方が有利なのか
・補助金を辞め保険料を上げ、運用益を増やす

のどちらが得なのかという問題(?)が出てきますよね。

 

今回のご質問者さんもこの点を悩まれているようですね。

この手のご相談はちらほら受けますが、ご相談者さんのように、子供には継がせないという話は、割と聞く事が多いなという印象です。

せっかくの土地と設備があるのに、勿体ないな・・・と勝手に思ってしまいますが、余計なお世話ですね(笑)

 

 

 

質問に対する回答

さて、少し前置きが長くなりましたが、今回の質問の要点が理解できた所で、今回の質問の回答をご紹介したいと思います。

その前にもう一度今回のご質問を確認しましょう。

 

 

 

では、まずは回答原文を読んで見られて下さい。その後でポイントの解説をしていきます。

ここからが僕の回答になります↓

 

ご質問ありがとうございます。
頂いた条件では、どちらがいいというのは断言できませんので、この場合の考え方だけお答えさせて下さい。

 

まず、補助の損得に関してですが、補助を受けずに掛け金を多く支払った場合は、金額にもよりますが長生きすれば補助の金額よりも、運用益の方が大きくなる事もあるので、損得よりも年金の上乗せに必要な金額にする事を優先して考えましょう。

 

上乗せ金額のポイントは「公的年金+農業者年金(収入)」と「老後の毎月の支出」が基本的にはトントンか、少し足りないくらいが丁度いいです。

 

公的年金と農業者年金の合計が多すぎたら、老後にお金が貯まる仕組みを作っているのと同じです。

余裕がある場合は、用途の自由が効きやすい、まとまった資金を別で作るようにしましょう。

 

ご質問者様の場合は、特例付加年金が受け取れない場合に、いくら足りないのか確認し、大幅に足りない場合はお考えのように農業者年金を増額する事が望ましいでしょう。

 

少し足りないくらいであれば、余裕資金で貯めたまとまったお金を切り崩す、もしくは年金の繰り下げ受給で公的年金を増額させる(1年繰り下げる毎に8.4%年金が増えます。最高5年の42%)で対応できるので、無理に農業者年金を増額させることはないでしょう。

 

なので、ご自身の老後の毎月の支出と一時的な支出がいくらなのかを考え、毎年送られてくるねんきん定期便などを利用し自分の年金がいくら貰えるのか把握し、農業者年金を上乗せは検討される事をおススメします。

 

ご希望の回答になっているかわかりませんが、少しでもご参考になれば幸いです。

 

という内容です。

 

要点でお伝えした農業者年金の掛け金と受け取りについて、把握していればすんなり理解できるかとは思います。

赤字にしている大事なポイントですので、もう少し詳しく解説しますね!

 

 

回答のポイント解説

年金の上乗せに必要な金額にする事を優先

まずは序盤にあるこちらですが、正直保険料の補助の損得は、補助を受ける年齢や受け取りの年数でどちらにも転びます

しかも、補助で受け取れる特例付加年金の分は、だいたい年間数万円程度にしかならず、実際の農業者年金は農業者老齢年金がほとんどになりますので、どちらに転ぶかわからない損得で掛け金を決めるよりも、実際に自分に必要な金額になるかならないかで掛け金については判断する事が大事になります。

 

「公的年金+農業者年金(収入)」と「老後の毎月の支出」が基本的にはトントンか、少し足りないくらい

では次のポイントですが、これはイメージされるとすぐ分かると思いますが、公的年金と農業者年金の受け取り金額が、老後の毎月の支出を上回っていたら、老後にどんどんお金は貯まっていくでしょうが、現役時代の負担がとても大きくなります

それだったら、農業者年金の掛け金は最低限(2万円まで)にしておけば、保険料の補助があってお得な上に、現役時代の負担が減るという事は使えるお金も増えるので、そちらの方がお金のバランスはいいですよね。という話です。

 

用途の自由が効きやすい、まとまった資金を別で作るように

一つ前のポイントと少し繋がりますが、老後はもちろん現役時代にはまとまったお金が必要な時期が必ずあります

農業者年金にばかりお金を掛けていたり、年金でしか受け取れない農業者年金ではまとまったお金を準備する事が少し難しくなります。

余裕があれば農業者年金の制度を利用すればリスクが少なく運用でき、かつ効率的に多く増やせるので、沢山掛けたくなるのもわかりますが、それよりも色々な用途に自由に使える、まとまった資金を準備しておく方が、選択肢は広がるはずです。

もしくは、つみたてNISAなど引き出しの自由な制度を使いご自身で運用していくという手もあります。

 

 

大幅に足りない場合はお考えのように農業者年金を増額する

年金が少なく、将来生活費よりも収入がかなり下回る場合は農業者年金を増額した方が得策でしょう。

ただし、これはこのご質問者様の場合だからこう答えたのですので、安易に農業者年金を増額しておけばいいというわけでもありません

人によっては他の手段(年金の繰り下げや自分で運用など)の方が有利な場合もあるので、それらをしっかり検討するようにしましょう。

 

 

余裕資金で貯めたまとまったお金を切り崩す、もしくは年金の繰り下げ受給で公的年金を増額させる

もし、老後の生活費が受け取れる年金より少し少ないくらいであれば、無理に農業者年金を増額するよりも、先のポイントで伝えたように、まとまった自由の効く資金の準備に回し、足りない分(時)だけ、切り崩していくという方が良いでしょう。

さらに、長く働けるという方は、公的年金は受給開始を遅らせると1カ月で0.7%年金支給額増えるので、必要な年金額になるまで繰り下げ受給をして調整する事ができます

※細かくは説明しませんが、将来のインフレ(物価の上昇)などを考えた場合は国民年金で対応する方が有利です。

 

それか、どちらも難しそうだという場合は最悪、支出を見直す事でも調整できます

農業者年金は掛け金の下限が2万円と高いので、負担がキツイという場合には、長く働いて繰り下げ受給をするという方法を取るのがいいでしょう。

 

 

 

まとめ

 

以上が今回のご質問の要点やその回答、そしてポイントをまとめたものになります。

回答の最後にも書いていますが、農業者年金を掛ける上で一番大事なのは

ご自身の老後の生活費をある程度イメージして、その分を超えすぎないように、年金定期便などで自分が受け取れる年金額を確認し、必要最低限を計画的に準備する事です。

 

是非、現役時代と老後のお金のバランスをしっかり取るようにして、老後資金準備のし過ぎで困ってしまうという事だけは避けて下さいね

 

では皆さんも、もし何か質問があれば

こちら↓から質問して下さいね!

質問箱

ちなみに匿名です!
(というか、コメントやお問い合わせでも全然いいのですが笑)

 

では、最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

4 COMMENTS

O.A

こんばんは。
いつもブログを拝見させていただいています。とても為になるお話が書いてあるので、勉強になります。ありがとうございます。

ひとつ質問があります。
農業者年金の話なのですが、今、私は農業者年金に入っています。冬の時期の農業の仕事は、片付けや土作りなので、その間だけ他で働きたい(バイトや短期派遣など)をしたいと思っています。
この場合の、勤め先の福利厚生は、どのようになるのでしょうか?

返信する
西田凌

O.A様
コメントありがとうございます。
いつもブログをお読み頂きありがとうございます!

ご質問の件ですが、
勤め先によって福利厚生は異なりますので、正直何とも言えないのですが、
基本的には農業者年金に加入しているからといって、特に勤め先の福利厚生に影響がある事は無いでしょう。

どちらかと言えば勤め先で社会保険(厚生年金)に加入される働き方となると、
農業者年金の加入資格である国民年金第1号被保険者では無くなるので
その場合は農業者年金は脱退という事になります。

ですが、基本的に短期間の労働で厚生年金に加入というのは無いはずですので、
特にご心配される必要は無いかと思います。

簡単ですが回答とさせて頂きます。

返信する
O.A

そうなのですね。
その会社に確認するのが一番ですね。
回答していただき、ありがとうございました。

返信する
西田凌

いえいえ、こちらこそコメント頂きありがとうございました。
またお役に立つ記事を書いていきたいと思いますので、今後ともブログをよろしくお願いいたします。

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