こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
農業って面白い職業だなと思うのは、作っている作物や面積、出荷先が分かればその農家さんのおおよその「年収」が分かりますよね。
全部をJAに出荷していて、売上高や総量などで表彰されるような人は、年収を世間に公表しているようなものだと感じます。
普通の職業からすればあまり考えられない事かもしれませんが、日本の食を支えている農家さん達が切磋琢磨する為の情報の共有にもなるんだなと考えると面白いなと思います。
ただ、ある程度の年収は分かったとしても、実際に家計にどれくらいお金が回るのか、そしてどれくらい資産があるのかはわからないですよね。
収入は多くても、見えない所で趣味などにお金を沢山使っていて、全く貯蓄が出来ていなかったり、
もしかすると反対に、親や親戚、兄弟から莫大な遺産を相続していて、巨額の資産を持っている可能性もあります(笑)
目次
どれくらい貯蓄があるのか?
実際に農林漁鉱業に携わる方の金融資産保有額は、平均値では全国の平均を上回っているという結果になっています。
出典:各種分類別データ(平成29年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)|知るぽると
抜粋↓
平均値
全国:1151万円
農林漁鉱業:1309万円
中央値
全国平均:380万円
農林漁鉱業:200万円
しかし、こういったデータは基本的に平均値は見るべからずです!(笑)
実態に近いのは、平均値よりもそのお隣にある中央値のデータの方でしょう。
平均値と中央値の違いって何?
その2つどう違うの?という方の為に、文系の出身の僕が理解している範囲で簡単に違いを説明すると
平均値・・・全体の値の合計を総数で割ったもの
例えばこの貯蓄の場合で考えて、農家Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんがいたとします。
Aさんの貯蓄は0万円
Bさんの貯蓄は100万円
Cさんの貯蓄は200万円
Dさんの貯蓄は500万円
Eさんの貯蓄は5745万円
平均を出すには全体を合計し、足し算した人数で割ります。
この場合
6545万円 ÷ 5人 =1309万円
となり、先ほどのデータの平均値となりました。
しかし、明らかにEさんの貯蓄がデータを狂わしているのが分かりますよね(笑)
ですので、平均値はデータを取りたいグループの中に、Eさんのように明らかに飛びぬけた数値が入っていると、全く参考にならない場合があります。
では、今度は中央値を見てみます。
中央値・・・データの値を小さい順に並べた時に丁度真ん中に位置する値
これも、先ほどのAさん、Bさん、Cさん・・・で考えてみた場合、
Aさんの貯蓄は0万円
Bさんの貯蓄は100万円
Cさんの貯蓄は200万円
Dさんの貯蓄は500万円
Eさんの貯蓄は5745万円
丁度、AさんからEさんまで丁度小さい順に並んでいるので、この場合の中央値はCさんの200万円になるということになります。
Eさんのように飛びぬけた値の影響は少ない為、こちらの中央値の方が「一般的なデータ」になるのではないでしょうか。
という感じで平均値と中央値は見方が変わってくるのですが、最初にご紹介したデータでは
平均値
全国:1151万円
農林漁鉱業:1309万円
中央値
全国平均:380万円
農林漁鉱業:200万円
となっていたので、中央値(一般的な値)で平均を下回っているという事は、貯蓄が出来ていない世帯や貯蓄が少ない家庭が多いという事が伺えます。
これは新規就農の方や所得水準が関係しているのかなと思います。(他の業種や統計の母数がそこまで多くないので、正直なんとも微妙な所もあるのですが汗)
しかし、全国平均では農林漁鉱業の貯蓄額の方が上回っているという現象が起きています。
これはつまり、貯蓄の2極化が起きていることが考えられます。
もしかすると、隣の農家さんはヨットが買えるくらい貯め込んでいるのかもしれませんね(笑)
と、まあそんな下世話な話は置いといて、このデータから考えるべき事をFPの視点で上手なお金の使い方について少しお話していきたいなと思います。
お金と上手に向き合う
隣の家の家計や状況は気にしない
お金を上手使う上で、一番重要になるのは周りと比べずに自分達を中心に考える事です。
周りの農家さんがトラクターを買い替えたからと、見栄を張ってまだ十分使えるのに買い替えを検討したりしてませんか?
もしギクッとした場合は家計でも要注意です(笑)
ただ、普段農家さんの家計の見直しのご相談に乗っていて、農家さんは生活支出が少ない家計が多いなと感じます。
確かに新規就農時にはお金は無いかもしれませんが、将来的に売り上げが増え年収が上がった時にはきちんと貯蓄が出来る家計となっており、先ほどのデータのように平均を上回って貯蓄ができているのかもしれません。
ただし、支出が少ないからといって、家計に無駄が無いという事ではありませんよ!
普段の買い物での支出などの変動費を節約するのも大事ですが、できれば毎月必ず掛かってくる固定費の見直しが案外できていないというご家庭も多いです。
最近は固定費見直してないなーという方は、是非一度固定費見直しにチャレンジされてみてはどうでしょう。
固定費見直しの1つである格安スマホについて以前書いた記事をご参考までにご紹介しておきますね!
記事には詳しく書いていますが、年間で数万円、生涯にすると、、、というシミレーションなども載せています。
よければ読まれてみて下さい!
お金を貯める目的を考える
さて今度は反対に、先ほどの例でいう農家Eさんのように、ある程度お金がある人の上手なお金との向き合い方の話です。
お金を貯める事はもちろん大事なことなのですが、お金を貯めるのが人生の目的ではありませんよね?
そのお金を使って何かする。もっと言えば、自分達が豊かにそして幸せに過ごす為です。
農業は不安定だから、、、
社会保険が手薄いから、、、
もちろん、そのお気持ちは個人事業主である僕も痛い程よくわかります。
今回ご紹介したデータのように、真面目な農家さんや貯蓄ができる人は余計に貯めるのかもしれません。
ただ、もう一度言いますが、人生の目的はお金を貯める事ではないはずです。
別に無理に使えと言っているわけではありません(笑)
しっかり蓄えつつも、我慢ばかりでなく何かやりたい事には使っていきましょう。という事です。
その為には、家族の今後のライフイベント(進学、結婚、出産、住宅の購入、老後など)を考え、それにいつ、いくらお金が必要になるのか把握する必要があります。
それができていなければ、本当はやりたいことがあるのにお金が減るのが怖くて使えないという事になります。
農家さんに限らず、案外こういった方って多いんですよね。
俺は農業だけやっていれば幸せだ!
という方もいらっしゃるかもしれませんが、そうでない人もいらっしゃいますよね。
お金を貯める目的を考えると同時に、どうやってお金を使っていこうか考えるのも同じくらい大事なことだと僕は思います。
まとめ
今回は最初にご紹介した農林漁鉱業に携わる方の貯蓄に関するデータを発見したので、
ご紹介ついでに、最近はお金に関するテクニックの話が多かったかなと思ったので、少しだけお金に対する考え方を書かせて頂きました。
隣の家の資産状況なんてわからないのが当たり前です。
周りはこうだからと比べるのではなく、自分達にとってどうかという所を突き詰めていければ、より豊かな農業ライフを送れるはずです。
では、最後までお読み頂きありがとうございました!
また、お金について一緒に学んで行きましょう!