こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
農業の大きな問題の1つに『事業承継(継承)』がありますよね。
僕はプロとしてこの問題に取り組んでいるという訳ではないのですが、
結局は何歳まで農業をやるのか?というライフプラン(人生設計)は実は深く関わっているのではないかなと思っています。
いつまでも農業を続けることは素晴らしいことですが、
本当に
農業をずっと続けること=自分自身の幸せ
になるのか?
実は、最近読んだ1冊の本で改めて考えさせられるきっかけがありました。
その本を読んだ率直な感想としては
と思いました。
普通に考えたら当たり前のことかもしれませんが、なかなかどうして人は色々なことを心配しすぎてお金を貯め過ぎる傾向にあるそうです。
後で詳しく書いていきますが、お金は『適切なタイミング』で使うべきだという話になります。
老後の生活の心配はもちろん大事ですが、それ以上に『今』を最大限楽しみながら過ごすのはもっと重要なことだと思います。
割と農業収入も安定していて、ある程度お金を貯める力がある農家さんは、是非この機会に『お金の使い方』も考えてみられてください。
目次
死ぬ時に資産を0にする
さて、本題に入る前に先に今回読んだ本のご紹介をしておきますね。
本のタイトルは『DIE WITH ZERO』となっており、日本語に直訳すると『ゼロで死ね』というなんともド直球なタイトルでビックリしますよね。
内容もさることながら、このインパクトのあるタイトルで2021年に結構話題にもなっていた本だと思います。
この本で伝えられている事はシンプルに1つで、冒頭でも触れていましたが以下のような感じです。
お金を適切なタイミングで使い沢山の経験をし、死ぬ時には使いきっておくこと
本書ではお金を使って様々な経験をすることが、人生において重要でそれが人間の幸せに繋がると定義しています。
※お金の使い方と幸せの関係は以前以下の記事でも書いているので、こちらも読んでいただければこの『経験』が幸せに繋がるということがもう少し理解しやすいのかなと思います。
(※幸福はお金の量ではないことを説明しています。)
お金には使うべき適切なタイミングがある
当たり前のことかもしれませんが、お金には使うべき適切なタイミングというものがあります。
例えば、同じ1万円でも若い時には遊園地や娯楽、勉強等の自己投資に十分にお金を使え、得られる『価値』可能性の種類というのはとても多いものです。
年を取ると若い時程多くの経験に対してはお金を使うことは出来なくなってきますが、培ったそれまでの経験は若い時には面白いと感じなかったものから『価値』を感じるようになれます。
(例えば演劇鑑賞やクラシックなど)
だからこそ、若い時に沢山の経験をすることでより豊かな人生を送ることが出来るというものです。
お金を貯め過ぎている人は案外多い
それなのに老後の為にと若い時の経験にお金を使わずに必要以上にお金を貯め過ぎている方は案外多くいらっしゃるようです。
(もちろん、本当に足りないという方もいらっしゃるのは理解していますが、一旦そこの話はおいておきます。)
もちろん、貯めることはとても良いことですが、「死ぬまでに使わないお金」を何のために稼いでいたのか?
と最後に死ぬ時に後悔をしないようにということですね。
ここは賛否両論あると思いますが、私も自分自身のライフプランを考えた時に、老後に安心の為に必要以上に資産を保有するシミュレーションをする方ですので、かなり耳が痛い話でした(笑)
リタイア後に出来ることは案外少ない
一昔前は老後を楽しみに現役時代は家庭をかえりみず働くというのも高度経済成長期にはあったかと思います。
ただ、蓋を開けてみればそれではリタイア後にパートナーや子供と円満な家庭を築くのは難しいというのが世間の常識になっているので、今では家庭と仕事を両立したいという人は多くなっているかと思います。
(共働きも増えてますしね。)
また、サラリーマンの方で現役時代は仕事をバリバリ頑張って老後に色々やりたいと思っていても、先に述べたように年を重ねてお金を使って楽しめることは、若い時の様々な経験が必要になります。
また、老後になってからいざ何かをやろうとするのは、「今更なにを・・・」となったり、始めたものはいいものの長続きしなかったりするそうです。
ですので、重ねてになりますが、やはり若い時に沢山の経験をしておくことが必要だということですね。
死ぬ時に子供へお金を残すのは間違い?
さて、先ほどは適切なタイミングで自分自身の「経験」としてお金を使い死ぬ時に必要以上にお金を残さないという話をしました。
ただ、中にはお金を残すのは子どもの為だ!と仰る方もいるかもしれません。
ですが、本書では子供へお金を残すタイミングも適切なタイミングがあると書かれています。
例えば、30歳の時に生まれた子供に亡くなった時にお金を残すとしますよね。
仮に85歳で亡くなった場合には子供はその時は55歳になっています。
もし、先に述べた若いうちに沢山の経験をした方がよいという考えを理解出来る方であれば、もっと若い時に子供にお金を渡す(贈与)もしくは、一緒にかけがえのない経験をすることにお金を使う方が賢明だということが分かるかと思います。
※ちなみに、日本は年間110万円までは非課税で贈与が可能です。
じゃあ、具体的にどうすれば?という話ですが、
シンプルですがきちんと自分達に必要な老後のお金を確保したうえで、残った分を子供等に生前に渡すことが大事だと言います。
(※子供が32歳~35歳の時に渡すのが住宅購入や子育て、遊びなど一番価値を引き出してくれるタイミングとのことです)
子供からしても、50代や60代にお金を受け取るよりも、もっとお金を有意義に使える若い時に受け取る方が良いでしょう。
お金を渡す親としても、子供が喜んでくれることを生きているう
死ぬ時は子どもがどんな反応したかは確認したくても確認しようがありませんから。
子供や孫に上手にお金を残す
住宅購入や孫の進学など一時的に年間110万円以上のお金を渡すことが可能な方もいらっしゃるかもしれません。
通常はこの非課税110万円を超えるとかなりの税金がとられてしまいますが、詳しい説明は割愛しますが、そんな方の為には以下のような制度で非課税で多くのお金を渡すことが可能となっています。
よければ参考にされてみてください。
子供や孫が住宅を取得する際に一定金額※を非課税で贈与が可能
※取得する住宅の種類により異なる500万円(一般)、1000万円(耐震、省エネ)の非課税贈与が可能
参考ページ
祖父母から30歳未満の孫への『教育資金』を1500万円/1人まで非課税で渡すことが出来る制度です。
※教育費以外に使用する場合は課税されます。
(専用の口座など作ったりと少し面倒みたいです。。)
※参考サイト
他にも使い勝手の良い制度として、生前に贈与したお金を相続の時に精算するという『相続時精算課税制度』があります。
こちらは最大2500万円まで特別控除があるので、多くの金額をまとめて生前に渡したいという方は検討してもよいかと思います。
※将来的に贈与税の非課税110万円は相続と一体化されることが検討されているそうです。
そうなると今回の記事でも書いたように「それだったら早く若い世代にお金を渡そう」という人が増えるかもしれませんね。
ライフプランを作ってみる
ただ、一番重要なのは『将来に渡るお金の流れ』をきちんと把握出来ていることです。
先にも述べましたが老後までの自分達の生活が大丈夫な分を確保したうえで、子供たちには出来る限りのことをしてあげるということなので、お金がいくらあっていくら必要なのか、そしていくら残るのかをきちんと計算しておかなくてはなりません。
手前味噌な感じがしますが、今回の本でもFPなどのお金に詳しいプロに相談をすることを勧められてました。
ご自身でライフプランを作ることが難しい場合は是非外注(FPに依頼)してみてくださいね。
時間を買って経験を積もう
お金があっても時間が無いという人は今は『時間を買う』モノやサービスは沢山出ているので、仕事でもプライベートでも時間を買うことをおススメします。
うちでも使ってますが、家事ならお掃除ロボットや乾燥機付き洗濯機、食洗器はかなり時間削減になりました。
なにを隠そう、その浮いた時間を使ってこうやってブログを書けているのはその証拠だと思います。
(もっとも子供と遊ぶ時間等は確保した上ですが)
ライフプランを作る話にも似てますが、自分じゃなくても出来る部分は仕事でもプライベートでも「外注」を検討しましょう。
そうやって今以上に時間を作って、今以上に沢山の経験をそれぞれ重ねていきましょう!
まとめ
今回はお金をいかに使うかという観点で本の書評を交えて書かせて貰いました。
お金を貯めなくてはという言葉はよく聞きますが、その貯めたお金をどれだけ有意義に使うかを考えることはあまりしないのではないでしょうか。
日常の細かいお金の使い方ならまだしも、大きなお金というのは貯めるのにも、使うのにも計画が必要なのかもしれませんね。
私自身頭で理屈は分かっても、やはり実行するとなるとかなり難しい気がしてますが、これも1つのお金に対する考え方として自分の中に落とし込みたいと思います。
皆さんも是非自分の貯めたお金の使うタイミング、検討されてみてはどうでしょうか。
では、今回も最後までお読みいただきありがとうございました!