こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
前回の記事で来年から青色申告が変更になりますという事をご紹介していました。
特にe-tax(電子申告)をする事で青色申告特別控除の金額が変わり、これまでよりも節税することが出来るという仕組みをお伝えしました。
e-tax?
控除額が変わる?
という農家さんはまずは前回の記事からご覧下さいね。
そして、今回の記事ではそのe-Taxのやり方をもう少し詳しくご紹介していきます!
今年の確定申告で実際に僕自身がやってみたので、やってみてどんな感じだったのか、つまずいた部分などを踏まえてお伝えしていきますね!
先に言っておきますが、これまで確定申告をやった事があるという方であれば楽勝ですのでご安心下さい!
目次
e-Tax(電子申告)とは?
では、まずはe-Taxとはそもそも何なのか確認しておきましょう!
国税庁のHPにある説明分を引用したのがこちら↓
e-Taxとは、以下のような国税に関する各種の手続について、インターネット等を利用して電子的に手続が行えるシステムです。これまでの書面による申告書等の持参又は送付による提出方法に加え、申告書等を電子データの形式でインターネットを通じて送信するという、新たな提出方法の選択肢を利用者等に提供するものです。
引用:国税庁HP
要は
これまで紙で提出していた確定申告書や決算書などを、インターネットを通じてペーパーレスで提出が出来る
という事です。
e-Tax(電子申告)のメリット
わざわざ税務署に出向いたり、郵送したりしなくて済むので忙しい農家さんにとっては嬉しい仕組みですよね。
ですが、ただ単にインターネットで申告が出来きて楽ちんというだけではなくe-Taxには他にもメリットがあるので、その3つのメリットを紹介しますね。
メリット1:添付書類が減る
1つ目は、紙で確定申告をする場合は社会保険料控除証明書や医療費の領収書などを添付書類台紙などに張り付け一緒に提出する必要があります。
色々な保険会社に加入している方や、何度も病院に通って医療費明細が多くなった方なんかはかなり手間になりますよね。
これがe-Taxによる電子申告を利用すると、こういった添付が必要な書類を省略できるものも多く、書類がグンと減るのでとても楽になります。
ただし、すべての書類が省略可能という訳ではないので、添付省略が可能な分はこちらをご確認下さい。
※法定申告期限から5年間、税務署から書類の提出又は提示を求められることがあるので、経費のレシートなどと同様しっかり保管しておくようにしましょう!
メリット2:申告や還付が早く出来る
2つ目のメリットですが、通常の確定申告は2月中旬~3月中旬の間に税務署に書類を提出することになりますが、e-Taxを利用して申告する場合は1月上旬頃から申告が可能になります。
また、還付がある場合は2~3週間で程度で処理されることになるようです。
脱サラ新規就農者の方なんかで初めて確定申告をする場合は還付がある事も多いでしょう。
焦らずいつかは戻ってくるお金ですが、何だかんだ早めに還付される方が嬉しいですよね(笑)
メリット3:青色申告特別控除額のアップ
最後3つ目ですが、厳密に言えば青色申告特別控除がアップになるというよりは、55万円に引き下げられるのが65万円に維持されるようになるというものです。
ただ、それだと損するはずだった所が元に戻っただけのように感じますが、実は青色申告特別控除が10万円引き下げられるのと、同時に基礎控除が38万円→48万円になるのでe-Taxをしなくても、トータルではこれまで通りの控除額となります。
つまりe-Taxをしてこれまで通りの65万円の特別控除を受けられる場合は、基礎控除がアップした10万円分の控除が上乗せされることになります。
仕組みとしてはざっくり以下のようになります。
詳しくは先ほどの前回の記事の中でご説明しているのでそちらをご覧下さい!
e-Taxのやり方
少し前置きが長くなりましたが、ここからは具体的にe-Taxをする為に必要なものや、実際にどうやってやればいいのか僕の体験話も入れながらお伝えしていきますね!
まず抑えておきたいのは、基本的にe-Taxを行うには
・e-TaxのID・パスワード
・マイナンバーカード
・ICカードリーダー
の3つを準備する必要があります。
ただ、考えたら分かる通りマイナンバーを取得していない人も多ければ、ICカードリーダーを持っている人もなかなかいませんし、青色申告を現在している方が3割程度と言われている農家さんにとって、青色申告+カードリーダーというのは非常に酷な事だと思います(汗)
という所で、これじゃあ厳しいと国も考えたのであくまでも一時的な対応として、以下の2つの方式でもe-Tax(電子申告)が出来るようになっています。
1、マイナンバーカード方式・・・マイナンバーカードとICカードリーダーで申告可能(e-TaxのID・パスワードが不要)
2、ID、パスワード方式・・・e-TaxのID・パスワードのみで申告可能
最初にご紹介した面倒くさいものを現行方式とした場合、それぞれ準備するものの比較イメージがこちら↓
ただ、先に書いたようにマイナンバーカードやICカードリーダーを持っている人の方が少数なので、税務署の人に聞いたのですがマイナンバーカード方式をする人はあまりいないとのことでした。
ですので、多くの人はID・パスワード方式で申告することになりそうですが、結局一度は税務署にID・パスワードを取りに行かないといけないので簡略化・・・と感じた部分もありました。
ただ、一度取得したID・パスワード方式は翌年以降でも使用可能とのことですので、2年目以降は税務署に行かなくて大丈夫となり簡略化された事になりますね!
※このID・パスワード方式は一時的な処置なのでもしかすると来年は廃止という可能性も無いとは言えませんが、おそらく数年はやるんじゃないかと税務署の人は言ってました。
実際にID・パスワード方式で申告してみた
では、ここからは実際にID・パスワード方式で申告した場合はどんな手順になるのか簡単にご説明しますね!
基本的に申告までのステップは以下の通りになります。
1、ID・パスワードを税務署で入手
2、会計ソフトで確定申告書等の元データを作成
3、確定申告書等作成コーナー(もしくはソフト)で電子申告
では、それぞれ説明していきますね!
1、ID・パスワードを税務署で入手
まずは電子申告する際に必要となるID・パスワードを税務署に直接行き申請する必要があります。
正直「メンドクサソウ、、、」「めっちゃ待たされるんだろうな」と思っていましたが、行ってみると通常の受付窓口とは別にID・パスワードの発行窓口が設置されていて、待つこともなく手続きが出来ました。(笑)
手続き自体も基本的に
・職員さんとPCでID・パスワードの発行
・免許証などの本人確認書類の確認
だけで5分くらいで申請&発行出来ました!
税務署での作業は以上になります。
2、会計ソフトで確定申告書等の元データを作成
さて一旦、ID・パスワードの話は置いといて、次にやるのは会計ソフトなどで電子申告する際の確定申告書の仕分けなどがされた元データを作成していきます。
と言っても基本的にここでは普段やっている確定申告と全く同じで構いません!
最後のステップでここで作成した確定申告や決算書を入力していくだけです。
また、会計ソフトがe-Taxに対応している場合は、電子申告用のデータを出力する事が出来るようになっており、手入力することなくそのままデータを入れ込むことが出来ます。
ただ、僕はこの部分で大きくつまずいてしまったのですが、それは後程詳しくお伝えしますね。
とりあえず、ここでは仕訳や控除などすべての入力が完了して出来上がった確定申告や決算書を作り上げることがゴールです。
3、確定申告書等作成コーナー(もしくはソフト)で電子申告
では、最後のステップです。
ここでは先ほど作りあげた確定申告や決算書の数字を国税庁の確定申告書等作成コーナーで入力していきます。
実はこの確定申告書等作成コーナーはWEB版とソフト版の2つがあります。
先ほどのデータを出力して自分で入力する手間を省きたい場合はソフト版をインストールしてデータを取り込む必要があります。
僕はどっちでやったか結果から言うと、ステップ2で作成した確定申告書等の数字をWEB版で入力してe-Tax(電子申告)しました。
実は、最初は手入力とか面倒そうだなと思ったので、ソフトをインストールしてデータを引き込む方にチャレンジしました。
ただ、ここで思いっきりつまずいてしまって、ソフトをダウンロードした所までは良かったのですが、さぁインストールだとなったらインストール画面でフリーズしてしまってまったくどうしようもなくなってしまいました(笑)
色々試したりしてみましたが、ネットで調べると結構フリーズしたという人が沢山いたので、ここは諦めてWEB版の手入力で頑張る事にしました(笑)
入力画面はこんな感じです↓
入力に時間かかるかな~と思っていましたが、実際はステップ2で作成した内容をポンポン入力していくだけだったので、30分も掛からず入力出来た気がします。
また少し細かい話ですが、この入力の時に確定申告書と決算書は別々に入力して作成するのですが、WEBサイトの方で決算書の方に入力したデータを確定申告書に引き込む事が出来るので、まずは決算書の入力作成からやった方が良いと思います!
僕は確定申告書の方から作成して少し2度手間みたいな感じになったので(汗)
そして、入力が完了したらあとは送信したらe-Taxでの申告が完了です!
本当に大丈夫かな?と少し心配になりますが、送信後に完了画面も出ますし、帳票を打ち出す事も出来るのでそこはひとまず安心して大丈夫かと思います。
まとめ
さて、今回はe-Taxによる確定申告についてご説明しました。
だいたいこんな感じなんだな~というのを理解して貰えたら嬉しいです!
農業の場合でも基本的に確定申告やe-Taxのやり方は変わらないので参考にされてみて下さいね。
個人的な感想はそんなに手間ではないし、1回やってしまえば何てことないなという感想でした。
何と言っても封筒に入れたり、添付書類を貼り付けたりしなくてよかったのは楽でした。
冒頭やメリットでも書きましたが、来年の確定申告ではe-Taxをすれば控除額がアップし節税に繋がりますので、是非チャレンジしてみて下さいね。
また、青色申告をしていない農家さんも青色申告にはさまざまなメリットもありますし、収入保険制度の加入の要件にもなっているのでこれからは出来る限り青色申告にチャレンジされてみて下さいね!
では、今回のe-Taxについての記事は以上となります。
もし万が一ここは少し違うよ~とか、こうしたらもっと楽だよ~とかあればコメントなどで教えて下さい!
では、最後までお読み頂きありがとうございました!