こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
就農計画からしっかり準備をしてやっとのことで新規就農が出来た。
だけど、思うように売り上げが中々上がらなかった時に家計は大丈夫なのか?
新規就農をする方でこういった心配は誰しも多少なりと考えることがあるかもしれません。
農業という事業を長年軌道に乗せて安定した生活をしている方は当たり前のようで凄いことだと思います。
では、実際に万が一中々売り上げがあがらず、家計が少し苦しくなりそう、もしくはすでになって来ているという場合には家計をどのように見直せばよいのか?
そういった疑問について今日は少しお話したいと思います。
目次
家計に逆転ホームランは無い
少し厳しい結論から言って、基本的には『自助努力』が原則の世の中ですので、
国からの援助(一般的にこれを公助といいます)は最低限の補助などはありますが、
苦しい生活が何か外的要因(相続や宝くじがたまたま当たったなど)でお金が入ってくることが無い限りは、
それだけで問題が無くなるということは無く、先に書いた通り自分自身の収入や支出の状況を改善しないことには
根本的な解決にはなりません。
家計を見直そう
家計改善の為にはまずは自分達の毎月の収支状況をきちんと把握する事が重要になります。
基本的には、以下の2つに分けて毎月いったいいくらお金が出ていっているのか確認するようにしましょう。
固定費・・・毎月かかってくる費用(家賃、通信費など)
変動費・・・使う量や頻度によって掛かってくる費用(食費、光熱費、交際費など)
ただ、こちらはあまり先の見通しまでは考えず、2~3年先までを目安に見通しを立てるようにしてみましょう。
そして、それからそれぞれの無駄な部分を見直していくわけですが、この家計の改善方法については、
以前書いた記事に詳しく書いてますので、是非そちらもご覧ください。
こちらの記事では、家計を見直すには基本的には以下の3つの原則をご紹介しています。
『支出を減らす』『収入を上げる』『投資をする』
※まずは固定費から見直すことをおススメしていますが、その理由についても詳しく解説しています。
まずは、何よりも自分達の家計を見つめなおし、家計で改善が出来る所が無いかということを絶対にチェックし、『自助努力』で改善出来る所はしっかり改善するようにしましょう。
ただし、そうはは言っても本当にお金に困っている時には先ほどの公助は、
あくまでも補助的な役割と言いましたが、実際は金銭的な部分だけではなく、
精神的にももう少し頑張ってみようときっとプラスに働くでしょう。
ですので、ここからはその公助についても少しご紹介をしておきますね。
収入が上がらない、下がってお金に困った時に農家がチェックしておきたい『公助』
社会保険料の免除
新規就農する方は個人事業主ですので、ほとんどの方が社会保険として、
・国民健康保険
・国民年金
に加入されているかと思います。
万が一、病気やケガをした時の為だったり、老後の生活費の為に支払うべきお金ですが、
こちらは収入が少ない場合や、支払いが困難な状況の場合は、一定の規定に基づき
支払いが免除されたり、減額申請を行うことが出来ます。
国民健康保険は条件は各市町村で異なりますので、病気や罹災などで収入が減った場合には、お住まいの市町村へご相談されるとよいでしょう。
また、国民年金も同じように一定の規定に基づき免除をすることが出来ます。
こちらは共有で免除の金額や条件などが決まっております。
以前、解説した記事もあるのでこちらをご参照ください。
上記した通り、万が一の時の備えになるものなので、絶対に満額を支払わないといけないと思っている方や、滞納したらどうしようと不安になる方も多いかと思いますが、
このような減額や免除の制度があることをまずは知り、必要であればお近くの各窓口にきちんと相談をされるようにしてくださいね。
生活困窮者自立支援制度
出ていくお金が減ることは凄く有難いけど、保険料以外にも家賃などの固定費や最低限の生活費など色々と支払いも発生しますよね。
(だからこそ家計を見直すのは固定費からなんです。)
そんな時に役に立ってくれるのが、この『生活困窮者自立支援制度』になります。
こちらの制度はいくつかの事業(サービスのようなもの)に分かれており、
例えば、冒頭で家計を把握し改善行うことをおススメしましたが、何から手を付ければいいのか等が分からないという方も多いかと思います。
そこで、そういった方の家計改善をお手伝いする、家計改善支援事業というものがあったりします。
また、こちらで作成した家計改善のプランでは目先のお金のやりくりも難しいとなった場合には、以下のように現金の貸付(無利子)が受けられるようになっています。
(改善プランの作成は必須ではありません)
住宅確保給付金の支給・・・家賃を原則3カ月自治体が負担
生活福祉資金貸付制度・・・緊急小口として現金(原則10万円)の貸付
※基本的にはいずれも1年~数年以内に償還(返済)が必要ですが、なかなか家計の改善がなされない場合には免除の特例の制度も用意されています。
※新型コロナウイルスの影響を受けたという方は別途特例措置が設けられています。
特に農家さんの場合は作物を作って売るまでのスパンが長いので、お金入ってくるまでタイムラグがあるという事もあるでしょう。
そんな場合の繋ぎ融資のようにつうことが可能です。
詳しくは以下の厚生労働省のHPをご覧ください。
その他支援制度
生活保護・・・本当にお金に困ったという場合には、国の最終的なセーフティーネットである生活保護が利用出来ます。
債務整理・・・多重債務などで返済が苦しい場合には、手続きや費用などが掛かる場合がありますが債務整理を行い、借金の返済を免責や軽減することも出来餡巣。
※ただし、自己破産や個人再生すると官報に指名が記載されます。(新たな闇金などからの融資勧誘があることも、、。)
まとめ
収入が下がり生活が苦しくなることなんて、誰しも考えたくないことだと思います。
ですが、いつ何が起こるか分からない世の中ですし、特にその影響を個人で農業をされている小規模な事業所というのはそのあおりの影響をモロに受けることも少なくありません。
もし、そうなった場合には今回の記事で書いたように、まずは家計を見直すことから始めて、必要に応じて公的な助成を受けて短い期間かもしれませんが、
少しお金の猶予が出来ることで、今後の農業経営について検討することが出来るようになるでしょう。
自助は自分、公助は国ですが、皆で支え合うのは『共助』と言いますので、周りにそういった困ったという方がいらっしゃれば、今回のお話などお伝えいただいてもよいかもしれません。
では、今回はこの辺で!
最後までお読みいただきありがとうございました!