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2021年の農家の確定申告はどう変わる!?知らないと損するポイントをFPが解説

こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています

農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!

 

2021年がスタートして、もう一ヵ月が過ぎようとしていますが、

それと同時にもうすぐ確定申告がスタートしますね。

通常は2021年2月15日から3月15日までが申告期間となっておりますが、

新型コロナウイルスの影響で2020年に引き続き、申告期間が4月16日(金)まで延長が決定されました。

 

この確定申告は何年やっていても毎回大変だと思う農家さんも多くいらっしゃると思います。

なんだかんだギリギリになってしまうという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
(僕は半日程度の作業で完了するのですが、逆にそのせいでのんびりしてしまい、何だかんだ準備がギリギリになってしまいます笑)

 

ただ、ギリギリにバタバタやってしまうと、思わぬ間違いをしてしまったり、

場合によっては受けられたはずの恩恵も受けられなくなってしまうという事も考えられます。

特に、今年の確定申告では『青色申告特別控除』が見直しとなっています。

 

個人で農業をされている農家さんにはかなり大きな影響があるので、今回の記事では少し深堀りしていきますね!

また、その他に今年の確定申告の変更点や、コロナで受け取った持続化給付金の扱いなどについても少し触れていきたいと思います!

 

目次

青色申告特別控除の見直しとは?

農業をされている皆さんなら当たり前のようにご存知だと思いますが、

毎年の確定申告で申告の方法によって「青色申告」「白色申告」の2つがあります。

下のこちらの表はそれぞれの申告の特徴の違いや提出の書類の違いをまとめたものになりますが、

このうちの青色申告の赤字にしている箇所の『特別控除』の箇所が変更となります。

青色申告 白色申告
特徴 ・10 、55万、65万の特別控除  ※2020年分から変更について後述
・純損失(赤字)の3年間の繰り越し
・減価償却の特例を受けられる
・専従者給与が全額経費に
※詳しくはこちらの記事で説明しています
個人農家の節税まとめ
専従者控除として専従者給与の一部が必要経費
→配偶者86万
→その他50万
提出書類 ・確定申告書B
・青色申告決算書
(損益計算書、貸借対照表)
・各種控除関係の書類
・源泉徴収票※(給与所得などがあった場合)
・確定申告書B
・収支内訳書
・各種控除関係の書類
・源泉徴収票※(給与所得などがあった場合)
記帳方法 ≪複式簿記≫
→仕訳帳
→総勘定元帳
→現金・預金出納帳
→経費帳
→売掛・買掛帳
→固定資産台帳
・法定帳簿
(収入や必要経費を記載したもの)

 

かなり簡単に言ってしまえば、今年から確定申告をe-taxといって、電子申告(要はパソコンやスマホから申告)をしないと、最大65万円だった控除額が55万円に引き下がりますよという話です。

ただ、その分基礎控除が10万円上がる(38万円→48万円)ので、仮に青色申告特別控除が55万円になったとしても、控除額の総額は変わらないのでご安心ください。

※基礎控除とは誰しもが無条件で考慮される控除のことです。

 

でも、勘の良い人はもうお気づきかもしれませんが、

逆に言えば、基礎控除が上がる+e-taxをすれば、これまでよりも10万円も控除額が増えることになります。

たかが、10万円と思われるかもしれませんが、(そんな事ないですかね笑)

この控除は税金はもちろん、社会保険料も下がることになるので、単純に申告方法の違いだけで数万円が浮く計算になります。

これまで慣れてきた申告の方法を変えるのは長く農業をされている農家さんの方が逆にストレスかもしれませんが、

この数万円があれば年に一度家族と美味しいものを何度か食べに行けると思ったら、やる価値は十分あると思いますよ。

 

 

実は、この特別控除の改訂についての解説や、特別控除を元の65万円のまま受ける為のe-taxの申告について

その手順などについてちょうど一年前にかなり詳しく解説しているので、もし詳しく知りたいという方はこちらの記事を是非一緒に読んでみてください。

農家の青色申告はどう変わる!?e-Taxや特別控除の変更点まで徹底解説!

 

青色申告特別控除の以外にも2021年(2020年分)の確定申告では変更されている点がいくつかあるですが、もう一つ農家さんに関係してくる可能性があるものを念のため記載しておきます。

公的年金受給者の確定申告が所得金額調整控除の創設

※ちょっとややこしい話が少し入ってきますが、結果影響がある人はそこまでいないので、読み流す程度でOKです。

こちらは既に年金を受け取られている農家さんで、公的年金等の収入金額が400万円以下、かつ公的年金等以外の所得金額が20万円以下であれば申告不要制度が適用され、確定申告は不要となりますが、

今回の基礎控除の引き上げ(38万円→48万円)に伴って、その分給与所得控除と公的年金控除などがそれぞれ10万円引き下げられます。

 

基礎控除は皆さん一律に適用できる控除となっているので、通常であれば総控除額は変わらないのですが、公的年金を受け取りながら給与所得も受け取っているという場合には

・基礎控除 +10万円

・公的年金控除 -10万円

・給与所得控除 -10万円

マイナスの方が多くなってしまう計算となります

これでは一方的に不利益となってしまう方もいらっしゃるので、そうならないように『所得金額調整控除』というものが創設されています。

※今回の改正は所得が高い人(770万円以上)の方の負担増を目的としている為、基本的に一般所得層に影響しないように改正されています。

 

ですので、公的年金を受け取りながら給与所得等を受け取られていても、今回の控除額の変更で大きな影響は無いのでご安心ください。

ちょっとわかりずらいかもしれませんが、税務署の該当するページのリンクを以下に貼っておきますね。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1411.htm

 

持続化給付金の取り扱いは?

せっかくですので、もう1つ!

コロナ禍の影響で売上が減少し、持続化給付金を受け取ったという場合は、売上の補てんと考えられ、収益に計上しなくてはいけません。

そんなの当たり前だよ!と思われたかもしれませんが、こちらの計上漏れは留意しておきましょう!

※なお、消費税については持続化給付金や補助金などは課税対象外です。

 

まとめ

冒頭でも書きましたが、毎年確定申告をしている方でも、今年は申告の方法によって控除額が変わるなど、大きな変化の年となっています。

長年農業をやっているからもう確定申告なんて慣れっこという方こそ注意が必要です。

これまで長くやってきたことを変えるのは面倒に感じてしまうこともあるかもしれませんが、

ちょっとした事で損をしてしまわないように頑張っていきましょう!

では、最後までお読みいただきありがとうございました!

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