こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
以前、JA共済の定期生命共済の特徴や保険料、また民間の保険会社の同類の定期保険と比べた場合に、どれぐらい保険料が違うのかというものをこちらの記事でご案内しました。
その中で、実は定期保険にはもう一つ種類があるという事をお伝えしました。
じつは定期保険には今回ご紹介した定期保険とは別の種類の定期保険があり、途中で触れたように定期保険に加入する目的が遺族の生活費や借り入れに対する保障であれば、そちらの定期保険の方が有利な事が多いです。
この定期保険の種類を「収入保障保険」と言います。
前回の記事より抜粋
今回は、その収入保障保険の特徴やメリットなどを、詳しく解説していきたいと思います。
目次
四角型と三角型の定期保険とは?
収入保障保険の説明の前に、そもそも定期保険には四角型と呼ばれるものと三角型と呼ばれるものがあって、収入保障保険のメリットがより伝わりやすいように、その違いを説明しておきます。
四角型の定期保険
四角型とは先日の記事でお伝えしたようなJAの定期生命共済やライフネット生命の定期保険が当てはまります。
何で四角なのかと言うと、こういった保険は契約した時から保障が終了するまでの間は保険金額がずっと変わらないという特徴があり、図に表すと以下のように四角い形になるからです。
三角型の定期保険
それに対して、三角形の定期保険は簡単に言えば、年数が経つにつれて保険金額がどんどん下がっていく保険になります。
それを図で表すと以下のように、三角形の形になります。
先ほどからお伝えしている、「収入保障保険」はこの三角型の定期保険となります。
後からシュミレーションもしていきますが、結論から言うと基本的には保障金額がだんだん下がっていく三角形の方が保険料が安くなるケースが多いです。
三角型の定期保険の方が合理的
よくよく考えると、当たり前かもしれませんが、農家さんに限らずこういった定期保険というのは一般的には、遺族の生活費の保障のためにかけられる場合がほとんどです。
ですので、一年無事に過ごせたという場合はその部分の保障は必要なくなるということです。
それなのに、四角型の定期保険の場合は、見直しをしない限りずっと契約した時の保険金額のままですので、必要以上の保障に多くの保険料を支払っているということになります。
もちろん、 四角型の定期保険でも毎年保険金額を見直していけば同じような効果はありますが、 毎年保険を見直すのは大変ですよね。
※厳密に言えば、保険料の計算の際に将来の保険金額のぶんも考慮して保険料が設定されるので、割高になっているというのもあります。
ですので、時間の経過とともに必要な保険金額が下がっていく、三角型の定期保険である「収入保障保険」が、遺族の生活費を準備する為の死亡保障としては合理的と言われています。
また、農家さんの場合はビニールハウスなどを建てた際の借入に対する保障なども、毎年返済した分は、その保障は必要なくなるので、この場合も収入保障保険が役に経ちます。
実際にどれくらい違うのかシミュレーション
では、ここからは実際に四角型の定期保険と三角型の定期保険では、どれぐらい保険料が変わるのか少しシミュレーションしていきたいと思います。
30歳の男性が現時点で4000万円の死亡保障を準備するという設定でシミュレーションします。
※65歳を満期として設定
JAの定期生命共済
まずは JA の定期生命共済でシミュレーションした結果はこちらのようになります。
参考:JAのHPより
毎月の共済掛金は15,000円/月という結果になりました。
民間の保険会社
では、次は民間の生命保険会社の三角形の収入保障保険ではどれぐらいの保険料になるかシュミレーションしたいと思います。
今回はSOMPOひまわり生命の収入保障保険「じぶんと家族のお守り」でやってみたいと思います。
※収入保障保険は保険金額の設定を、万が一があった時に遺族が毎月いくら保険金として受け取れか、るという設定の仕方ですので、JA共済の定期生命共済で設定した4000万円と綺麗に合わせることができませんでしたが、30歳時点で万が一があった場合に毎月10万円を65歳まで受け取るという設定にすると、総額が4200万円で試算しています。
保険料を比べるので、スタート時点の保険金額が多い方が普通は不利になるかと思いますが、実際はどうでしょうか。
その結果がこちら
SOMPOひまわり生命-収入保障保険 じぶんと家族のお守り:保険料シミュレーション
少し分かりづらいかもしれませんが、この保険はタバコを吸っていなかったり、健康体であれば保険料が安くなる仕組みとなっています。
とはいっても、一番高い標準体保険料率でも、毎月の保険料は3,460円となっております。
先ほども言いました、30歳時点での保険金額は
(65歳-30歳)×10万円×12ヶ月=4200万円ですので、
30歳時点では、こちらの三角形の定期保険「収入保障保険」の方が、保険金額は多いのにも関わらず、保険料は比べ物にならないくらい安くなっています。
シミュレーションの考察
JA共済 ・・・15,000円/月
SOMPOひまわり生命・・・3,460円
このように、同じ保障がずっと続く事がどれくらい保険料が高くなってしまうかがよく分かりますよね。
もちろんこれは、将来の保険金額が自動的に下がっているので差が開くことになります。
ちなみにJA共済の四角型の保険でも、保障期間を10年や15年更新にすると、これよりも保険料は下がりますが、
本質的にはそこが問題なわけではなく。
ずっと保険金額(保障)が一定であるということが、遺族の生活費や借入に対する保障では合理的ではないということです。
実は、JA共済にもこういった「収入保障保険」のような仕組みの保険は存在します。
しかし、JA共済の場合は「終身保険」という死亡保障にセットで加入する事が条件となっています。
定期生命共済か終身保険かどちらに加入するか迷っています。
というご質問って以外と多かったりするので、この終身保険についてもまたの機会に書いていきたいと思います!
まとめ
今回はJA共済の定期生命共済のような『四角型』の定期保険と『三角型』の定期保険では、どれくらい保険料に差が出るのかというのをシミュレーションしました。
え、こんなに違うの?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、同じ保障を備えるのに保険は入り方1つで、このように保険料が違ってきます。
前回の記事でもお伝えしていましたが、死亡保障は亡くなった場合に保険金が支払われるというシンプルな仕組みですので、出来るだけ保険料が安いものを選ぶようにしましょう。
自分達に本当に必要な保障の分だけに保険に加入すれば、保険料を大幅に節約する事も出来る可能性は十分にあります。
今支払えているからそのままでいいやというのはかなり勿体ないですので、是非保険は最適なものに加入するようにしましょう!
では、最後までお読みいただきありがとうございました!