新規就農者のお金の不安と問題を取り除くお手伝いをしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です。
いつも、新規就農者や農家に特化したお金にまつわるお話をしていますが
今回は少し趣向を変えて、最近読んだ本の感想を書いてみたいと思います。
もちろん農業とお金の話にまつわる本と感想ですので
私自身新規就農者とファイナンシャルプランナーの立場として
色々考えさせられた本でしたので、少しでも皆さんの為になれば
という気持ちと半分、備忘録として書かせて頂きます。
感想と備忘録ですので、気を付けますが多少乱雑な文章でも
お付き合いいただければ嬉しいです!
目次
ライフシフト 100年時代の人生戦略
ではまず本のご紹介から
「ライフシフト 100年時代の人生戦略」というタイトルの本になります。
トップ画のも設定していますが、こちらの表紙です。
この本はほとんどの本屋さんのビジネス書コーナー
に置いてあったので、見かけた事のある方も多いかもしれませんね。
世間的にも話題となっていましたが、ここ一年程新規就農やFPとして独立の
準備で読みたいと思いつつもなかなか手が出せていませんでしたが
やっと読むことができました(←いいわけ)
読んだ大雑把な感想としては、人生100年時代を
生き抜く為に、より一層自分の将来を考える
いいきっかけと教訓になったのと、農家になる選択をした事は
正しかったのかなと思わせてくれる本でした。
付箋の多さが物語っていますね(笑)
普通の感想ではつまらないので
僕なりの農業視点から見た感想を書いていきたいと
思います。
人生の新しいステージの登場
ちょっと前置きになりますが
人生は「教育→仕事→引退」という
3つのステージがありますが、これからの100年時代
2番目の仕事の期間がこれまでの年代と違い長くなるとされています。
現に、大企業や公務員の定年が65歳まで伸びてきていますし
年金の受給も今後後に延びる可能性も高いと言われています。
この本では引退年齢は70~80歳になるだろうと言われており
今までの世代と比べ、20年は長く働く事になるとのと。
なので、人生が80年前後を想定して作られた今の日本の制度
が時代に合わなくなってくるのは必然と思われます。
ですので、今日本でも言われている働き方改革はもちろん
これからの働き方というのを、今の現役世代はよく考えて
いかなくてはならないのは言うまでもないなと思いました。
そしてこの本で言われていたのは、この人生の3ステージが
もっと多様化し自分らしい人生を歩む事が書かれています。
多様化の働き方には
「エクスプローラー」・・・選択肢を狭めずに幅広い針路を検討する
「インディペンデント・プロデューサー」・・・自由と柔軟性を重んじて小さなビジネスを起こす
「ポートフォリオワーカー」・・・様々な仕事や活動に同時並行で携わる
という働き方があり、これらを実現できる人が
自分らしい人生の道筋を描くことになるとされています。
ここで、脱サラ新規就農者も定年後に農業をやりたいという方も
これにあてはまるのではないかと思いました。
農業は今最後の成長産業と言われたり、6次産業化の波が
大きく押し寄せています。
(実際、新規就農する程度の広さで6次産業は有効なのかは
個人的には不明ですが)
ですので、今までの職種にとらわれずにエクスプローラーとして
農業の可能性や魅力に気づき、さらに農業とはいわば経営になるので
インディペンデント・プロデューサーとして
自分が作りたい作物や売りたい場所(販路)等自由な発想で
ビジネスができる時代になっています。
農業をそして中心としたサイドビジネスの可能性
(飲食店、コンサルタント、IT等)
があり、農業をしながら他業種と関わり合いを持ち
ポートフォリオワーカーとして働くこともできます。
(半農半Xの考え方がこれにあてはまるのかなと思いました)
そしてこの著書によると、インディペンデント・プロデューサー
の第一歩となるには政府の政策による後押しが必要と述べられています。
日本農業界には他業種には無いような
独立時に設備投資に多額の補助金を出したり
45歳以下の新規就農者には農業次世代人材投資資金等
色々な政策があり新規就農する環境が整っています。
ですので、農業でやっていけるのかな?
というより、むしろ
6次産業化や法人化等自由な発想でなんでもできます。
その後押しも政府がここまで準備してくれているので
この本が言いたい人生100年時代を生き抜く為の
手段として農業はうってつけでないかと感じました。
長い生涯
100年時代というけれど本当?
という疑問が僕もありました。
ですが、この本に詳細なデータを元に100歳まで生きる
年代やパーセンテージが書いてあり、統計的には10年で2~3年
は寿命が延びている国もあるとのこと。
なのでやっぱり信ぴょう性は高いのかなと。
(あまりに詳しく説明すると怒られそうなので、、)
ヒントは健康、栄養、医療、教育、テクノロジー、衛生、所得
のあたりが大きく影響しているとのことです。
では想定される長い人生において
働く期間が70~80歳になる可能性があると言われました
ではそこで農業をずっとやっていけるのかと考えた場合
正直、生産のみを行う農業には年齢による限界があると
思いました。
前にそのような記事を自分でも書いていたので
よければこちらもお読みください!
ですので、農家も将来的にはその経験と知識と積み上げた
ネットワークを利用し、もう一度インディペンデント・プロデューサー
もしくは、ポートフォリオワーカーとしての次のキャリアを
考えておく必要性があるなと感じました。
個人的には、今のFPの仕事もですが、農業経営コンサルタント
やITと農業関連の仕事もやってみたいと思っています。
あと珈琲が大好きなので農業と珈琲との組み合わせ等
何か面白い事ができればいいなと思っています。
まぁ先の先の事なのでぼんやりと考えているだけですが(笑)
あと現役時代に必要になってくる事もしっかり書かれていまして
ロボットやAIに取って代わられない仕事をするという事
詳細は本を読んでもらうとして、ロボットやAIに仕事を取られる
のではなく、上手に活用する事が重要であると。
ずっと言われていますが、ただ生産して出荷して終わりの
農家にとって厳しい時代がくるという事です。
それぞれ創意工夫を凝らし、自分の個性を売り出し
小規模でも6次産業化に近い活動が求められる事に
なるだとうと思いより一層経営力、営業力等のスキル等の
無形資産と呼ばれるものをより高める
必要があるとつくづく考えさせられました。
まだまだ、研修を受けながら自分が目指す経営
というのを考えないといけませんが、個人的には
人やロボットと争わずに、独自の商品や販売方法等
を確立していけたらいいなと思っています。
そして、僕の場合何歳まで働くかわかりませんが
どんな将来がきても対応できるような
農家独自のファイナンシャルプランニングをもっと研究し
自分だけでなく、このブログを読んでくださっている
新規就農を志す方や既存の農家の方のお金に対する
不安と問題を解決する手助けができればとより思いました。
結局農業の話がメインになってしまいましたがw
この本を読めばこの人生100年時代において
大事な事がしっかりと具体的なシミュレーション
と一緒に書いてあります。
大きな書店さんにはだいたいおいてると思いますし
街の図書館では貸し出しているところもあります。
(佐賀市の図書館にも置いてあり、予約が21件くらい
あったのでやっぱり人気なんだなーと思いました)
興味持たれた方は是非一度読まれてみて下さい!
それでよければコメント等に感想を書いて頂けると
喜びます(笑)
農業専門ファイナンシャルプランナー 西田 凌