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新規就農者必見!脱サラして自分達の年金はどう変わる?FPが解説

こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています 
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!

新規就農者さんからのご質問やご相談でも関心の高いのが『年金』です。

新規就農者する方でサラリーマンを辞めて個人農家(個人事業主)になった時に、
サラリーマンが加入する厚生年金から国民年金に変更になるのは何となく理解はしているけど

ハッキリとその違いが分かっている、もしくは最終的に受け取れる金額はいくらになるのか理解しているという方は少ないようです。

個人的には新規就農者がすぐに老後資金準備に意識を回す必要は無いとは考えております。


ですが、そうは言っても年金について何も知らずに、ずっと漠然とした不安を抱きながら農家を営むのと、年金について理解し、就農が軌道に乗ってきたらどういった対応をした方が良いか知りながら営農するのでは、

きっと良いパフォーマンスを発揮するのは後者ではないでしょうか。

今回の記事で学べること

脱サラすると年金はどう変わるのか、また将来受け取れる金額はいくらくらいなのか、
そして、それを踏まえたうえで、上乗せして老後資金を上乗せはどうすればよいのか。

という事で今回は新規就農者が気になる年金についてしっかり解説していきたいと思います!

※年金には老後に受け取れる年金以外にも、亡くなった時の遺族年金や障害を負った時の障害年金などもあり、そちらも厚生年金と国民年金では少し異なりますが、今回は老後に受け取れる年金にフォーカスしています。

目次

脱サラ新規就農前と後では年金はどう変わる?

では、まずは年金についてそこまで考えたことが無いから詳しくないという方の為にも、年金制度の仕組みから少し解説していきますね!

日本の年金制度

年金とはご存知の通り、20歳から60歳までの現役時代に年金保険料の掛け金を支払い、65歳になったら受け取れるというのは皆さんご存知だと思います。
(一部65歳以前より受け取れる年金の仕組みも残っていますが、この記事を読まれている現在50歳以下の方はあまり関係が無いので65歳から受け取れるという認識で大丈夫です。)

そして、65歳になったら受け取れる年金の金額は加入していた『年金の種類』に応じて変わってきます。

※これ以外にも亡くなった時に遺族が受け取れる遺族年金や、障害を負った時に受け取れる障害年金などもありますが、一旦ここでは割愛し、また改めて解説したいと思います。

2階建てになっている日本の年金

では、この年金についてもう少し詳しく説明していきますね。

まず、基本的な公的年金の種類としては「国民年金」「厚生年金」の2種類があります。

国民年金は自営業者や個人事業主などが加入し、厚生年金はサラリーマンが加入しています。

ただし!

実際のイメージとしては以下の図のように国民年金に全員が加入しており、サラリーマンはその国民年金に上乗せして厚生年金に加入しているという事になります。

ですので、聞かれたことがある方も多いかもしれませんが、日本の年金制度はいわゆる『2階建て』の仕組みとなっています。

扶養の仕組みが無い

ご主人が新規就農前にサラリーマンをしていて奥様がパートなどに出られていたというような方は、奥様はご主人のの扶養に入っているという方も多かったのではないでしょうか。

その場合は奥様は国民年金保険料を支払わなくても、第3号被保険者として加入することなり、将来国民年金として年金を受け取ることが出来ます。
(年金がいくら受け取れるのかというのはまた後程解説しますね。)

ですが、ご主人が国民年金に切り替わったという場合、この国民年金には先ほどの『扶養』という考え方は無いので、夫と奥様それぞれが国民年金保険料を負担する必要があります。

個人農家が支払うべき国民年金の金額

では、具体的に個人農家になった場合にはいくら年金の保険料を支払うべきなのか解説しますね。

国民年金保険料は一律となっており、令和3年の場合の1人当たりの保険料はこちらとなっています。

16,610円/月

もし、ご夫婦で農家を営むとなった場合には、先ほどもお伝えしたように、国民年金には扶養という考え方が無いので、この金額×2を支払うことになります。

そうなると毎月の負担は33,220円となるというイメージです。

国民年金の保険料を安くする方法

老後の為の備えとして国民年金はとても重要なものですが、そうは言っても毎月この金額の負担は大きなものですし、新規就農者が支払うのは厳しい!という方も少なくはないかもしれません。

ちょっとしたアドバイスとなりますが、そんな時に役に立つ記事を以前書いていたのでご紹介しておきますね。

※国民年金保険料の支払い金額を抑える方法を記載しています↓

※年金保険料の支払いが厳しい時に役に立つ制度をご紹介しています。

個人農家の受け取れる年金はいくら?

では、具体的に農家さんが受け取れるおおよその年金額について解説しますね。

1階建て部分の国民年金からの支給は?

先ほどもご説明しましたが、日本の年金制度は2階建てとなっており、個人の農家さんは1階建て部分の「国民年金」に加入します。

20歳~60歳までの40年間きちんと満額の国民年金保険料を支払っていたという場合には以下の金額が受け取れることとなります。

年間 78万0900円/人
(月換算 約6万5000円/人)

※令和3年時点

※途中サラリーマンをしていた方は厚生年金には上記の国民年金の納付も含まれているので、支払い期間は合算でOKです。

分かってはいるもののやはり、個人農家(自営業)の方の年金額というのは満額支給だとしても少し心もとない印象がありますね。

ちなみにもし、学生時代や途中で支払っていない期間がある場合には、60歳以降も任意加入という制度を使って支払っていないかった期間の分を支払うという事も可能です。

2階建て部分の厚生年金からの支給は?

ですが、脱サラして新規就農する方はサラリーマン時代のその期間分の厚生年金が支給されますので、上記の国民年金保険料に上乗せして、厚生年金を受け取れることになります。

ここではその確認方法についてご紹介しますね。

年金定期便で確認する

一番正確で確実なのは毎年誕生日月に送られてくる『年金定期便』を確認する方法です。

あまり詳しく見たことが無いという方や、過去に見た事はあるけどさっぱり!という方も多いかと思いますので、簡単に見方を解説しておきますね。

こちらは年金定期便の見本(50歳未満用)になるのですが、以下の画像の赤枠にある「(2)老齢厚生年金」の部分に書かれている金額が、これまで支払ってきた厚生年金保険料に応じた受け取り額となります。

「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和3年度送付分)|日本年金機構

ちなみに、その上にある「(1)老齢基礎年金」というのが、いわゆる1階建ての国民年金に該当するものです。

少し見方の注意が必要なのは、こちらも今まで支払ってきた国民年金保険料に応じた年金額が記載されているので、

一見すると。「少なッ!」と思われるかもしれませんが、今後国民年金保険料を納めれば(1)の老齢基礎年金は

どんどん増えていきますのでご安心くださいね。(上記の満額が上限)

年金定期便が無い場合は?

もし、年金定期便が見当たらないという方は、少し登録などの手間はありますが、日本年金機構の以下のサイトから電子版でも確認が可能です!
電子版「ねんきん定期便」 | 日本年金機構

また、年金定期便は再発行も可能になっています。
「ねんきん定期便」を汚損、毀損、紛失したのですが、再発行はできますか。|日本年金機構

受給額確認シートの一覧表で概算を確認

現在、メルマガのご登録いただいた方へ、『公的年金受給額簡単確認シート』を期間限定でプレゼントしています。

こちらは、たった3ステップでおおよその年金受給額の概算が分かるシートとなっているので、年金定期便が手元になく、とりあえず概算だけでも知りたいという方は是非受け取られてみてくださいね!

受け取りはこちら↓

サイトでシミュレーション

また、以下のサイトのように無料でかなり詳しく公的年金のシミュレーションをするサイトもあったりします。

公的年金受給額シミュレーション【保険市場】

ただ、少し専門用語などを理解していないと項目を入力していくのは難しい場合もありますので、その場合は先にご紹介した年金定期便やメルマガの特典を活用してみてくださいね。

脱サラ新規就農者が必要な年金の手続き

実際に脱サラ新規就農をしてた際には、お住まいの自治体に年金の切り替え(厚生年金→国民年金)に切り替えの手続きをする必要があります。

こちらについては過去にこちらの記事で解説しているので、是非こちらをご参考にされてくださいね。

まとめ

年金は老後の生活の糧となる重要なものになります。

これからの時代は特に自分達で備えておく『自助努力』が求められる時代です。

とは言っても新規就農者の方はすぐすぐには老後の備えなどにお金や意識を回すのは大変だと思います。

ですが、今回の記事で将来いくら受け取れるのか把握出来たのであれば、現状が把握出来たことで漠然とした年金への不安というのは一旦無くなるのではないでしょうか。

早ければ早いほど良いのは確かですが、就農が少し落ち着いてからでも大丈夫ですので、自分達の老後について少し考えてみてくださいね。

今回の記事が少しでもご参考になれば幸いです。

では、最後までお読みいただきありがとうございました!

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