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外貨建て保険を案内されましたが必要でしょうか?

こんにちは

農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています

農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!

 

 

今回は先日ライフプランを作成して頂いた

お客様からのご質問に対しての僕の回答が

皆さんにもお役にたつかもと思いましたので

ご紹介したいと思います。

 

 

 

では早速、そのご質問内容から

「保険代理店の方から外貨建て終身保険で運用をしないかと

おススメされましたが、これは加入すべきでしょうか?」

 

という趣旨のご質問でした。

 

後で詳しく説明しますが

僕の回答の結論としては

 

加入すべきではない!

とお答えしました。

 

 

理由を説明する前に

そもそも外貨建て終身保険って何だ?

という方も多くいらしゃると

思いますので簡単に説明しますね。

 

目次

外貨建て終身保険とは?

 

終身(生命)保険は保険の対象者(被保険者)が

亡くなったら保険金が支払われます。

 

その為には保険料を支払っていくことに

なるのですが、この保険料を

日本円で支払っていくのか(円建て

外国のお金で支払っていくのか(外貨建て

簡単に言えばそのような違いです。

 

昔は円建ての商品でも予定利率がよかったので

安い保険料で大きな死亡保障や

解約返戻金を受け取ることができていたので

運用するのにもよかったのですが

 

近年は皆さんご存知の通り

低金利の時代ですので

以前のように円建ての終身保険に

あまり魅力がありません

 

そこで、最近よく話題に挙げられ

保険屋さんもよく勧めてくるようになったのが

「外貨建て終身保険」なんです。

 

日本の金利に比べると

諸外国の金利と言うのは

まだ高い水準で推移しています。

 

それに伴い保険でも外貨建てで

運用していく方が保険料も安い上に

死亡した時の死亡保障や解約返戻金も

円建てよりも多く受け取れる場合があるので

近年人気を集めています。

 

簡単に言えばこのような特徴です。

 

では、これを踏まえて外貨建て終身保険を

なぜ僕がおススメをしなかったのか

説明していきたいと思います。

 

おススメしない2つの理由

外貨建て終身保険をおススメしない理由を

2つご紹介したいと思います。

①コストが高い

圧倒的に保険会社に搾取される

コストが高いです。

 

それもそうです。

運用だけでなく死亡保障もついているので

そちらにお金を回さないといけないので

その分をコストとしてお金がかなり掛かってるんです。

 

住宅を購入した事がある人はわかるかと思いますが

住宅の購入の時って業者に色々と手数料を

支払いますよね?

 

ですが

保険って加入する時って

手数料とか払ったことある人は

いらっしゃいませんよね?

 

そうなんです。

実は気づいていないだけで

毎月支払う保険料の中にしっかり組み込まれてたり

運用しているお金の一部を手数料として支払っている

 

 

まぁ確かに保険会社も営業会社ですので

手数料を取らないといけないのは

わかりますが

問題なのは先ほどから何度も言ってますが

そのコストの高さです。

 

払ってるといっても何万円と多くても10万円とか

それくらいでしょ?

 

と思いませんでしたか。

有名な保険会社なら大丈夫。

あの販売員さんが勧めてくれるならとりあえず安心。

そう思っていませんか?

 

この手数料や死亡保障の分に回されるお金については

それぞれの保険会社の商品でどれくらいを設定しているかは

公表されてないのですが

(それもどうかと思いますが)

 

ざっくりですが

仮に自分で運用した場合と比較してみると

少しその実態がわかります。

 

まずはその比較した分を見て貰いましょう。

それがこちらの表になります。

※注 ドル建て終身はメットライフ生命のUSドル建終身保険 ドルスマートSをHPより参考にしています。

http://www.metlife.co.jp/products/life/iswl-dollar/

※わかりやすいようにドル建て終身も1ドル/113円で円に計算し直しています。

 

 

左の青い方が「ドル建て終身保険」で運用した場合

右の黄色い方は自ら「投資信託」で運用をした場合です。

どちらも同じ3%で運用をした場合となっております。

それぞれ20年目に払い込み保険料と投資額が同じになるよう

試算したものです。

 

まず10年目を見てお分かりのように

右側の投資信託で運用をした場合は

投資元本より約38万円のプラスとなっておりますが

 

左側のドル建て終身の場合は

払い込み保険料が3,088,920円なのに対し

その時点で解約した場合はなんと

2,008,462円しか戻りません

 

その差は約108万円となります。

掛けた分の65%しか戻らない計算となります

低解約返戻金型なので

すべてが手数料というわけではないでしょうが

自分で投資した場合と比べるとちょっとびっくりしますよね。

 

そして、20年目の場合は

払込保険料も投資額も同額となり

それぞれ比較した場合でもやはり

100万円以上の差がついています。

 

つまりこの差が

手数料や保障に回されたコストが影響した結果

だと考えられます。

 

これってつまり

保険会社に手数料を沢山取られ

100万円を損してるのと同じ

もしくは

100万円を得る機会を捨てている

ということになりませんか?

 

そしてパンフレットに書いてある

3%という数字は保険会社の利回りであって

あなたが受け取る本当の利回りではない

ことをしっかり覚えてておかれて下さい。

 

外貨建て終身保険はこのコスト(手数料)について

じっくり考えることをおススメします。

 

②為替変動の影響を受ける

円ではなく外貨建てで積み立てていくという事は

為替変動の影響を受ける事になります。

 

為替変動の影響がイメージできない方は

海外旅行に行った時の事を考えて下さい。

例えば、アメリカに行く事になり

出発の際に為替相場が

1ドル100円のレートだった場合

10万円は1000ドルに交換できますよね。

 

仮に、この1000ドルを使って

ラスベガスのカジノで遊んだとしますよね(笑)

あなたはリスクを取りながら

なんとか元の1000ドルのお金を

1100ドルに増やす事に成功しました。

 

 

そして、いざ日本に帰国するとなった時に

1ドル90円のレートになってしまっており

その相場で円とドルを交換したら

「1100ドル×90円=9万9000円」

となりました。

せっかくカジノでお金が増えたと思ったのに

為替相場の影響で元に戻るどころか

少し減ってしまってますね。

 

これじゃあリスクを取ってお金を増やした

意味が無いなって思っちゃいませんか?

 

ここまでで勘のいい方なら

外貨建て保険にこの話を上手に

重ねて考えられているかと思います。

 

今の相場は1ドル/113円程ですが(2018年11月28日現在)

7年前の今頃は1ドル/78円とかそれくらいだったのは

覚えていらっしゃいますか?

長い期間であれば何十円と相場が変動する可能性は

十分考えられます。

 

そして、最も厄介なのは

最終的に受け取るお金は

運用してお金が増える金額よりも

この為替相場が変動した方が

最終的な金額が変動する振れ幅が大きいことです。

 

これも先ほどの分で考えてみましょう。

1000ドルが1100ドルになったという事は

変化したのは10%となります。

 

そして為替相場の方も

こちらはマイナスの方ですが

100円から90円となり

同じく10%の変化ですよね。

 

ですが

同じ10%であっても

掛け算する時は

小さい数の変化が大きいと

最終的な金額の

変化は大きいですよね。

 

農業でも全体の収穫量が上がるよりも

販売単価が少し上がる方が

売上が高くなるのと同じです。

 

 

これらの例え話は

たった10万円程度ですので

そこまでダメージが無いかもしれませんが

外貨建て保険となると、もっと掛け金も多くなりますし

受け取る時期はもっと先になるので

その時の相場がもっと変動している可能性も十分考えられます。

 

相場が悪くても外貨建て口座を作り

相場が良くなったタイミングで

日本円に戻すという対策を勧めるというのも

あるようですが

相場が戻るのはいつですか?

生きているうちに本当に戻るんですか?

と挙げたらきりがないくらい

心配事はでてきそうです。

 

20年後はおろか5年後の相場すら

専門家でも予測不能ですので

もちろん、相場がいい方向(円安)に動く可能性もありますが

運用結果よりも場合によっては

結果を大きく変動する振れ幅をもつ

為替リスクもしっかり理解しておくこと

とても大事な事です。

 

※わかりやすいようにカジノで例えましたが

ギャンブルと投資は別物ですのでご安心を。

気になる人は「投資」と「投機」の違いについて

調べられてみて下さい!

 

 

実際はこの他にも色々なリスクはありますが

挙げだしたらきりがないので

わかりやすいこの2つをピックアップしました。

 

本当は債券の金利が上昇した場合にも

マイナスの影響を受ける市場価格調整など

も説明したかったのですが

これを詳しく説明すると

かなーーーーーーり長くなりますし

文章で理解して貰えるように

書く技量は僕にはございませんm(_ _)m

 

どうしても気になる方は

google先生に聞いて頂ければ

詳しく説明のしてある記事もありますので

そちらをご覧下さい。

 

外貨建て終身保険のメリット

ではここまで一方的に悪いように

言ってきましたが、いい部分は無いのか?

と聞かれると、もちろんあるにはあるんです。

 

それは終身保険本来の死亡保障です。

死亡保障は運用と異なり

最低保証金額がありますので

その点はいつ亡くなっても

まとまった資金を準備できる上に

冒頭でも書きましたが

ドル建ては円建てよりも保険料が安い

というメリットがあります。

 

運用目的ではなく死亡保障として

考えた場合はある程度選択肢に

なってくるのかなと思います。

 

 

ただし!

これはあくまで円建ての保険と比べた場合

というだけですので

・そもそも、終身保険が必要なのか?

・定期保険などの他の死亡保障で

準備した方がいいのではないか?

ということをしっかり検討するべきです。

 

もちろん外貨建て終身保険の

死亡保障に最低保証があると言っても

受け取りの際の為替変動リスクはもちろんありますので

その点は注意が必要です。

 

 

まとめ

今回のご相談者の場合は特に「運用」として

外貨建てを案内されたという事でしたので

加入をおススメしませんでした。

 

そもそも、保険を含む金融商品は基本的に

 

「自分で仕組みができないものには加入しない」

 

これが大前提になります。

保険はトータルで見ると数百万円単位の買い物です。

それをよく理解しないまま契約しているうちは

この先ずっとお金は増えていきません。

最悪減ってしまいます。

 

ですので、保険は高い買い物であることを

しっかり意識して自分が納得いくまできちんと調べる

そして、分からない事は担当者に聞く。

言葉を濁しうやむやにするような担当者

保険は高い買い物であることを

しっかり意識して自分が納得いくまできちんと調べる

そして、分からない事は担当者に聞く。

言葉を濁しうやむやにするような担当者

からは絶対契約しないようにしましょう!

からは絶対契約しないようにしましょう!

 

 

では少し長くなりましたが今回はここまでで。

最後までお読み頂きありがとうございました!

2 COMMENTS

林健太郎

こんにちは、林です。

さすが、
保険代理店を経験された西田様の話は
説得力がありますね。

外貨建て保険はリスクもコストも大きいですので、
客観的に見たら、お勧めしにくいですね。

返信する
西田 凌

林様
コメントありがとうございます!
本当に勧めにくいです。
外貨建て保険を結局売る事なく代理店を卒業したので
今あのお客様のはどうなっているのだろうと肝を冷やすことが
ないので本当によかったです。

返信する

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