こんにちは、新規就農者に特化して
家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
農業者年金のHPを見ると
これら6つのメリットが並んでます。
1、農業者なら広く加入できる
2、少子高齢時代に強い積み立て・確定拠出年金
3、保険料は自由に決められる
4、終身年金。80歳前に亡くなった場合には死亡一時金あり
5、税制面で大きな優遇
6、保険料の国庫補助
以前の記事で
2、少子高齢時代に強い積み立て・確定拠出年金
のメリットを中心に農業者年金の簡単な仕組み
について少し詳しく解説しました。
(詳しくはこちらの記事をご覧ください↓↓)
今回は上の6つのメリットの
5、税制面で大きな優遇
について少し詳しくみていきたいと思います。
税金の話ってなかなか難しいので
なんとなく避けてしまいがちかもしれませんが
とってもお得な制度になっているので
できるだけわかりやすく説明していきますね!
目次
社会保険料控除など税制面での優遇措置~入口から出口までの優遇措置~
農業者年金機構のHPで
5、税制面で大きな優遇
について詳しく書いてある
ページの一番上に大きな見出しで
社会保険料控除など税制面での優遇措置~入口から出口までの優遇措置~
とこのように書かれてあります。
ん~
FPやってなかったら
その下まで読む気が失せそうな
見出しですが(笑)
ポイントはその内容ですので
そのままみていきましょう!
同じページにはこのメリットの
ポイントが3つ書いてあります。
今回はその内容にそって説明と補足を
していきたいと思います。
まず1つ目
保険料は全額社会保険料控除の対象
既に確定申告をしていたり
生命保険に加入していて
毎年の生命保険料控除を
しっかり申告されている方は
社会保険料控除のイメージがなんとなく
つくかとは思いますが
中には、詳しくわかってない
という方ももしかすると
いらっしゃるかもしれませんし
そもそもそれ何なの?
という方もいらっしゃると
思いますので社会保険料控除の
説明からしていきます。
社会保険料控除とは農業者年金基金の
HPの言葉をそのまま拝借したら
○ 農業者年金に加入して、その年に支払った保険料の全額(最高額1人当たり年間80万4千円)が、所得税・住民税・復興特別所得税の「社会保険料控除」の対象になります。国民年金や健康保険の保険料と同じように社会保険料控除として、所得から全額控除になりますので、その分課税対象所得が下がり税金が安くなります。
という事になります。
年金なのになんで保険料って言葉が
出てくるの?と思われるかもしれませんが
実は年金も保険の一種なんで
保険料とは掛け金の事を指します。
それで内容を簡単に説明すると
農家含めて個人事業主はその年の
売り上げや経費を差し引いた
所得の金額を3月に確定申告
として申告します。
その申告した所得を元に
その年や次年度の
社会保険料や税金が
決まるわけなんですが
この農業者年金の為に
支払った掛け金(保険料)の全額を
その税金を計算する時の
所得金額から差し引いて
計算していいですよ。
そしたら所得税や住民税、復興特別所得税が
安くなりますよ!
という話です。
ちなみに生命保険料は
掛金の全額ではなく
一定額までしか控除できませんので
全額が控除できるというのは
やはりとても優遇されています。
簡単に計算例を元に
説明したいと思います。
復興特別所得税は今回抜きにして
計算しており
正確な金額とは少しだけずれることが
あるかもしれませんが
こんな感じかという程度で
受け止めて貰えば大丈夫です。
では例えば
ある年の課税所得が
200万円あったとします。
(課税所得とは基礎控除や
青色申告特別控除等を差し引いた金額
の事ですがここではスルーで構いません)
課税所得が200万円の場合
所得税や住民税の税率が
併せて20%となる場合
200万×20%=40万円
この場合税金は40万円となります。
では次に
月々2万円、年間24万円
を農業者年金の掛け金(保険料)
として支払っていた場合
この24万円を先ほどの
課税所得200万円から
社会保険料控除として
差し引く事ができます。
計算はこのようになり
200万-24万=176万
つまり
課税所得は176万円となります。
これに先ほどと同様に20%の税率を
掛けてみます。
176万×20%=35.2万
この場合税金は35.2万となります。
つまり先ほどの40万円との差額である
4.8万円が社会保険料控除されて
税金が安くなっているという事です。
つまり節税されているという事になります。
つまりこの仕組みが最初に出てきた
こちらの文言の黒字部分
「社会保険料控除など税制面での優遇措置~入口から出口までの優遇措置~」
に該当します。
入口から優遇措置
そして次に
「社会保険料控除など税制面での優遇措置~入口から出口までの優遇措置~」
この入口からの部分というのが
掛け金を支払い=入口
という事になりますね!
年金資金の運用益も非課税
では次に2つ目のポイント
年金資金の運用益も非課税
についてご説明します。
投資をされている方は
ご存知だと思いますが
投資がうまくいって
運用益(簡単に言えば儲け)
が出た場合にはその運用益に
20%程の税金が掛けられるように
なっています。
つまり
10万円運用益が出たら
2万円が税金で取られ
8万円が手元に残るという
ような形です。
この税金を取られるのが嫌だ!
という方がNISAや確定拠出年金(ideco)
を利用して投資をされる事が多いです。
今回は農業者年金の話なので詳しくは
説明しませんが、また別の記事で
詳しく説明したいと思います。
さて、話は戻りますが
農業者年金は皆さんが
払われた掛け金(保険料)を運用して
将来受け取る年金を多くするという仕組みですので
この運用益が非課税なのはやはり優遇されている
と言えるでしょう。
中間での優遇措置
見出しには記載がありませんが
しいて言えば、この2つ目のポイントである
年金資金の運用益も非課税
という仕組みが
入口と出口の間、つまり
運用中=中間
というところになるでしょうか。
受け取る年金も公的年金等控除の対象 死亡一時金は非課税
では最後の3つ目のポイント
受け取る年金も公的年金等控除の対象、死亡一時金は非課税
こちらですが
まず前半の
受け取る年金も公的年金等控除の対象
について説明していきたいと思います。
将来、国民年金や農業者年金
を受け取る場合でも所得金額に応じて
税率が掛けられます。
ただし、受け取った年金額に
そのまま税率が掛けられる
というわけではありません。
公的年金控除といって
先に説明した社会保険料控除のように
年金で受け取った所得の金額から
税率計算する前にある程度の金額を
差し引いていいですよ。
という制度になります。
ちなみにどれくらい控除されるかというと
国税庁のHPに載っている表がこちら
になります。
(注) 例えば65歳以上の人で「公的年金等の収入金額の合計額」が350万円の場合には、公的年金等に係る雑所得の金額は次のようになります。
3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円
このように所得の金額よって
控除額は変わります。
表の中にも書いてありますが
65歳以上の年金受給者で
120万円以下の場合は
控除額の方が大きくなり
年金による所得は0円と
なるので課税される事は
ありません。
国民年金の満額受け取りは
現在約78万円ですので
それに厚生年金や農業者年金
がどれだけプラスされるか
がポイントになってくるかと
思われます。
僕らが老後を迎える時に
減っていなければいいのですが(笑)
まぁそこはあまり期待せずに
自分で稼ぐ能力か貯蓄等で
しっかり対策をしておかないと
いけませんね。
そして後半の死亡一時金は非課税
についてですが
農業者年金は契約者が80歳に
なる前に亡くなった時には
80歳までに本人が受け取る予定だった
年金見込み額が遺族に支給されますが
その際の死亡一時金が非課税となる
制度です。
相続税の基礎控除等も下がり
お金持ちだけでなくても
自宅やある程度の資産を
持っている方であれば相続税が
発生してくる時代となってきています。
そんな中、何百万もしくは人によっては
1千万を超える死亡一時金が非課税に
なるのは大きなメリットになると思います。
出口での優遇措置
この3目のポイントの
受け取る年金も公的年金等控除の対象、死亡一時金は非課税
年金を受け取る際の優遇措置となるので
受け取り=出口
という事になりますね!
まとめ
ここまでの内容を簡単にまとめると
入口=掛け金の社会保険料控除
中間=運用益が非課税
出口=公的年金控除、死亡一時金非課税
というような流れで
入口と中間、そして出口での
優遇措置になってきますが
実はこの出口の優遇措置があるおかげで
入口と中間での優遇処置が活きてきます。
ん?どういう事?
と思われるかもしれませんが
仮に入口の社会保険料控除で
税金が減りました。
さらに中間で運用益も
非課税になったとします。
ですが万が一
年金受取りの出口の時に
税金がかけられてしまうと
結局は税金を払うタイミングの繰り延べされた
という事にしかならず
節税効果は無いのと同様になってしまいます。
ですので
この公的年金控除があるおかげで
入口から出口までという
一貫した節税効果が得られる
という仕組みになっています。
少しややこしいですね(笑)
これは予備知識程度で構いません(笑)
とにかく重要なのは
農家の老後資金準備において
この税の優遇措置というメリットが
農業者年金を選ぶ一つの選択肢になる
という事ですので
老後資金準備に悩まれている方や
農業者年金を検討されている方は
少しご参考にされてみて下さい!
長くなりましたが
最後までお読み頂きありがとうございました!