こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
今回はお子さんが無事に大学を卒後されたのを良い機会とし、家業の農業を継がれるという方から『生命保険の見直し』について最初にご相談のメールを頂きました。
今回はそのご相談内容と僕が実際にやり取りした内容を一部ご紹介したいと思います!
目次
ご相談内容
現在50歳で会社員を脱サラして新規就農したので、それまでは職場の組合の保険に加入していましたが、今後、どういった生命保険に加入して良いのかわからないのでアドバイス頂けたら幸いです。
家計状況
1、子供は2人ともに自立しており教育費はかかりません。
2、住宅ローンも退職金で精算したので無借金です。(預貯金は1000万程)
3、妻はパートに近い勤めで、社会保険に加入しており年収200万弱
Fさん
※内容一部修正しています。
Fさんご相談ありがとうございました。
ではここからは、この条件を踏まえて脱サラ新規就農者が考える生命保険の見直しについて僕が実際に回答した内容になります。
保険というのは家計状況によってベストな入り方というのは正直無いのですが、これから脱サラして農業をやる時の保険に対する考え方は共通している部分が多いので、そういった部分はきっとご参考になると思います!
以下、回答になります!
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FPによる回答
~挨拶略~
お子さんも独立され、ローンも精算されたタイミングでの脱サラというのはとても理想的ですね!
早速ですが、頂いた生命保険の見直しについてのご質問への回答となります。
先に結論のポイントをお伝えしておきますと、
1、生活費に対する死亡保障は必要無い
2、働けなくなった時の就業不能保障に最低限加入しておくとより安心
3、今後農業における借入をした場合はその分の死亡もしくは就業不能保障に加入する
それぞれ詳しくご説明していきたいと思いますが、
その前にまず、生命保険の役割として抑えておきたいのは
万が一の時に自分達では賄いきれない経済的損失に対する備えになります。
これを踏まえてお伝えしていきますね。
1、生活費に対する死亡保障は必要無い
一般的な生命保険の死亡保障というのは、ご主人(大黒柱)に万が一があったとしても、残された遺族が問題無く暮らしていける為の保障を持つことです。
Fさんの場合は万が一があり、ご主人の収入が途絶えたとしても、
収入の面においては以下の分が
1、奥様の200万円/年程の収入
+
2、遺族厚生年金
(奥様が~65歳・・・約60万円前後の中高齢寡婦加算)
(奥様が65歳~・・・ご主人の厚生(共済)年金の3/4か奥様の厚生年金の多い方を受け取れる)
※遺族厚生年金は原則25年以上の厚生年金加入が必要となりますが、50歳という事なので満たしていると考え回答しています。
支出の面においてもお子様も独立しており、住宅ローンが無く基本支出自体はそこまで多くないかと思われます。
(※実際にはここは現状をしっかり把握し、シミュレーションが必要ですが)
また、1000万円前後の貯蓄もあることから生活費に対する生命保険の必要性は無いと思われます。
2、働けなくなった時の就業不能保障に最低限加入しておくとより安心
ただし、上記の生活費はあくまで亡くなったという前提ですので、
亡くならないけど万が一働けなくなった時の保障は少し検討されておくと今後より安心して農業に打ち込めるかと思います。
農業に限らずですが、病気やケガで働けなくなるという可能性が高くなるご年代になってきます。
正直確率は低いと思いますが最悪を想定した場合でお話します。
もし、介護が必要になったという場合には、奥様がお仕事を辞めて介護をするという可能性も考えられます。
その場合は農業の収入も無くなる上に上記の奥様の収入が大幅に減少、もしくは無くなるという事になります。
長く介護が必要となった場合には障害年金が程度に応じて支給(恐らく100万円~150万前後)される事になりますが、
そのお金+1000万円の貯蓄だけでは、65歳までの年金受給までは少し心もとないように感じます。
ですので、そういった亡くなっては無いけれど、働けなくなった時に保険から月10万円など設定した保険金額を毎月受け取れる就業不能保険に加入されておくとより安心かと思われます。
保障内容にもよりますが、50歳男性で働けなくなった時に月10万円を65歳まで受け取れるという保障は月に3000円~4000円前後で持つ事が出来ます。
これまで加入されていた死亡保障の共済をそちらに回すというようすればご負担もそう大きくないかと思います。
※医療保険なども貯蓄がそれだけあれば、高額療養費制度もあるので特に必要ないので解約しても大丈夫でしょう。
実際に普段のご相談の中で、ご主人が働けなくなり収入が途絶え困っているというご相談もちょくちょくあるので、この点については個人的には優先順位は高く検討して頂けたらと思います。
ここまでが、基本的な生命保険と就業不能保険についての考え方となります。
3、今後農業における借入をした場合はその分の死亡もしくは就業不能保障に加入する
こちらにつきましては少し余談となりますが、もし農業における機械購入や設備設置などに対して、
借り入れが現在もしくは今後あるという場合には、その返済期間中は死亡保障や就業不能保険の保障を持つようにされると、より安心して農業に専念できるかと思います。
※借入が何十万~200万レベルであれば特に必要無いでしょう。
※また死亡保障を検討される場合は収入保障を利用しましょう
参考記事↓
冒頭でも書きましたが、生命保険を含めた保険はあくまで自分で賄えない部分を補完してくれるものです。
保険は必要最低限にしてコストを抑えていきましょう。
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回答はここまでになります!
まとめ
次世代人材投資資金など国の支援も49歳まで受ける事が出来たりと、今回のご相談者さんのようにお子さんが独立して50歳近くで脱サラして新規就農をするという方も多くいらっしゃると思います。
こういった方のライフプランはたまに作成してきましたが、基本的にはサラリーマンの時よりも一時的に収入が落ち込む事が多いです。
しかし、それに伴い支出を見直すというのは、これまでの生活全体を見直すことになるので、やはり中々すぐにはという方も多いですが、そうなってくるとやはり遠くない将来で家計が破綻するという結果になる事も多いです。
脱サラして農業をされる場合は、今回の保険を含めた固定費はもちろん、日常の生活費のムダな部分や少し贅沢しすぎてたかなという部分は見直しすることを心掛けてみられてはいかがでしょうか。
その際に、ある程度でいいのでこれからのライフプランを基に、将来までのお金の流れが分かるキャッシュフロー表を作ってある程度の目安を作られるとより上手に家計の管理が出来るようになるでしょう。
では、今回はこの辺で!
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!