こんにちは、農家の方に特化して家計のお悩み解決をお手伝いしています
農業専門ファイナンシャルプランナーの西田凌です!
タイトルにもあるように、NOSAI沖縄さんが主催された
「農業経営における農業保険の考え方」という講演会でお話をさせて頂きました。
しかも、沖縄本土で3箇所(名護市、沖縄市、南城市)と宮古島、石垣島の2箇所と、計5箇所を2週に分けて回らせて頂きました。
今回のような外部から講師を招いての取り組みは、NOSAI沖縄さんでも新たな取り組みという事で、まだまだ駆け出しの私を呼んで頂いた事をとても感謝しております。
また、講演以外でも沖縄の農業の話や農業保険に関する話など、為になるお話を沢山教えて頂けて本当に有意義な出張となりました。
(もちろん、お酒も沢山頂きました笑)
せっかくですので、今回の沖縄の出張で感じた事や気づきなどを、自分の備忘録も兼ねて共有できればいいなと思っています。。
目次
沖縄は「あつい」!
9月の1週目と2週目に行ったので日差しが強くジリジリと照らされとても「暑かった」です。
しかし!!
それよりも、沖縄は「人が熱い」とつくづく感じました。
何でしょうね、NOSAIの職員さんって皆さん沖縄出身の方がほとんどなのですが、話を聞いていて皆さん沖縄が大好き!というのがよく伝わってきました。
また、単に地元が好きというだけではなく、沖縄の分化や産業をとても大切にしたいという気持ちがあふれ出ていました。
もちろんその中でも、お仕事で特に関係する「農業」に関しては、これからも沖縄の農業を残したい、発展させたいというNOSAI職員さん仕事に取り組む姿勢や気持ちがバシバシ伝わってきて、とても心が温まる気持ちになりました。
今回のような講演会を全国でもいち早く取り組まれて、沖縄から全国に盛り上げていこうと職員の方も仰られており、今回の講演を通してFPという立場からリスクとの付き合い方や農業保険はどんな時に役に立つのかとお話をさせて頂いたことを大変嬉しく思います。
僕も農業の世界にきちんと還元が出来るように頑張らないとなとつくづく感じました!
収入保険制度の課題
農業保険は皆さんご存知の通り、農業特有の自然災害や価格低下などに対して補償がされるものです。
既存の農業保険では対象品目に制限があったり、産地の縛りなどがありましたが、今年から新設された収入保険制度は対象品目の制限や産地の制限も無く、また補償の範囲が広くなっています。
ただ、加入条件として『青色申告』が必要という条件があります。
これは僕自身の業界に染まってしまっているなぁという反省ですが、青色申告自体はソフトやクラウドサービスを利用すればそこまで負担の大きなものではなく、規模が大きくなったら税理士さんに依頼するというのも可能なので、そこまで問題では無いのかなと、少し楽観的に考えていました。
(実際、ご相談頂く方はほとんどが青色申告をされている方でしたので、、、)
農業者で青色申告をしている人の割合が1/3程度というのは知っていましたが、現場ではここがかなりネックになっているとの事でした。
収入保険制度には加入したいけれどもPCソフトやクラウドソフトなどは、長年白色申告されてきた方は実際問題はなかなか敷居が高いと感じるかもしれません。
FPとしては収入保険制度がどうというよりも、やはり青色申告による控除という大きなメリットを受けて貰いたいなというのがあります。
例えば、今払っている以下の分は、その年の所得から計算されます。
- 所得税
- 住民税
- 国民健康保険料
※正確には住民税と国保は前年所得から計算されます。
青色申告特別控除はこの所得から65万円差し引けますよーというものですので、
仮に所得税が5%、住民税が10%、国民健康保険料の所得割が10%だとしたら、合計で20%です。
つまり、青色申告特別控除の65万円×20%=13万円
これだけお金が浮きます。(つまり節税)
この浮いたお金を農業経営において万が一があった時にでも、利益を安定化させるための保険の保険料に回すことも出来ます。
また恥ずかしながら、JAさんの方で記帳代行をされている事を初めて知り、しかも所得が200~300万くらいなら、2~3万円前後と安っ!てなりました(笑)
どこまでやってくれるかは詳しく調べて書きたいなと思っていますが、ざっと見た感じだとレシートや領収書を渡せば複式簿記でやって65万円の控除は受けられるようです。
これだけ税金や社会保険料が減らせるなら、使うのもありじゃないかなと思いました。
(もし使っている人がいればどんな感じか教えて下さいー!)
その後慣れてくれば、自分でやっていくとよりベターですよね!経営のお金もより把握出来るでしょうし。
ただ、苦手なものを全部自分でやるよりも、人に任せて自分は他の事に集中するのでも全然いいと思います!
※特に2021年からは基礎控除が38万→48万円に引き上げられます。その代わり青色申告特別控除が65万円→55万円に引き下げられますが、e-taxをする事で元の65万円の控除となります。
ですので、実質的にはこれまでよりもe-TAXで青色申告すれば10万円控除が増えることになります。
この辺りはわかりにくいので、また改めて記事にしたいと思います!
家計を見直し経営にバックする
そしてさらに!家計の無駄を見直す事が出来れば、もっと金銭的に余裕が出てくるので、そのお金を経営に使う(戻す)こともできて、別に何に使ってもいいのですが、今回の保険料に回すという事も出来ますよね。
携帯代を見直す
例えばご相談で多い家計の無駄には、
携帯でキャリアスマホ(docomo、au、Softbank)を使っている人は、現在6~7千円/月払っているのが、格安スマホに変える事で2千円前後に落とすことが出来ます。
夫婦2人であれば、月に8千円も浮かす事ができます。
保険を見直す
また、日本人は保険に無駄が多いと言われていますが、日ごろご相談に乗っていてそれは農家さんにも当てはまる事だなと感じます。
医療保険やがん保険は解約するのも1つの手!
(日本の健康保険制度には高額療養費制度があることや、入院も短くなっているので治療費がそこまで掛からない、何より事業関係の保険の方が万が一の助けになってくれるので優先度は高い)
自動車保険をネット保険に切り替えるとかも有効で、これらで月に1万円程度家計が見直されるという事はよくあります!
コンビニ飯
あとはコンビニ飯ですかね。
農家さん外仕事で忙しいし、便利だからついついコンビニで、、というのは分かりますが、これもたまにコンビニに行くのを減らすだけでも月に2千円程度節約する事もできます。
最低限のセーフティネットを
これらを見直すことで、月に2万円程度家計が浮いたとしたら年間で24万円になります。
また青色申告をされていない方は、先ほどの青色申告特別控除で浮いた13万円をプラスして考えてれば、年間で37万円のお金を捻出する事が出来るという事です。
このお金を保険に回した場合は、もちろん事業経費となりますので、所得税、住民税、国保の税金や保険料が下がる事になるので、実質的には37万円よりも負担は少なくなると言えます。
老後資金準備も大事ですが、まずは経営の最低限のセーフティーネットが出来ていないと、家計がどうこうというレベルでは無いかなと感じました。
農業専門のFPとして出来ることは、「青色申告の話を含む家計+経営の保険(もちろん売らない)」に関して、正しい情報をこれからもどんどん発信していきたいなと思っています。
大型台風の被害があった直後の宮古島で講演でしたので、壊れたハウスを一緒に視察に行かせて貰ったり、ニュースで千葉の被害の状況を見ていて、自然災害というのはどうしようも無いものですが、また頑張ろうと思えるセーフティーネットを作り、1人でも自然災害により泣く泣く離農するという人を減らせるようやっていきたいと思います。
もちろん、セーフティーネットがきちんと張れているという方は、どんどん夢や目標の実現の為に将来に向けた準備を一緒に学びやっていきましょう!
では、最後までお読み頂きありがとうございました!